アビームコンサルティングの新たな挑戦
近年、業界全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、アビームコンサルティング株式会社は特に際立った取り組みを行っています。東京都中央区に本社を置く同社は、Salesforceの提供するAgentforce、Data Cloud、MuleSoftを新たに導入し、営業組織の高度化を図ることを発表しました。これにより、信頼性の高い顧客アプローチが可能となり、社内での情報共有も大幅にスムーズになります。
「Strategy2027」のビジョン
アビームコンサルティングは、2024年度に向けた中期経営計画『Strategy2027』のもと、「価値創出サイクル」を実現するための戦略を掲げています。その中では、社内の顧客アプローチおよび顧客管理プロセスを技術面で高度化する必要があるとしています。AI技術の活用により、情報提供のスピードを向上させ、顧客接点を増やすことで新たな提案の機会を生み出し、社員全体の自発的な行動を促すことを目指しています。
自社の実証を重視
アビームコンサルティングは「自社実証」という哲学を持ち、新技術の導入において自社が最初にその効果を体感することに重点を置いています。今回のSalesforceの導入もその一環で、AgentforceやData Cloudなどの先進的なツール群を業務に取り入れたことで、効果的な提案活動が期待されています。特に、業務の効率化に加え、業績向上へとつながる新たなアプローチを開発しています。
トップパフォーマーの思考をAIに
特に注目すべきは、アビームコンサルティングが中核となるトップパフォーマーの経験を基に業務の高度化を進めている点です。彼らが培ってきた思考のパターンをAIに移植し、業務プロセスに組み込んでいます。この取り組みによって、従来の業務効率化を超えた、戦略的で迅速な営業活動が可能に。実装を通じて得た情報をもとに、営業の質やスピードが飛躍的に向上し、結果として重要な商機の拡大につながっています。
新たな提案機会の創出
Agentforce導入後、アビームコンサルティングは顧客やクライアントとの関わりについてより深い洞察を得られるようになりました。AIエージェントがもたらす報告業務やアカウントプランの自動更新により、社内の業務が簡素化。さらに、リアルタイムでのデータ管理が可能になることで、外部メディアの報道と連携しながら、業界動向に素早く反応した提案が提供できるようになっています。たとえば、「脱炭素」に関するニュースが出た際には、迅速に関連情報が提供され、新しい提案のための材料として活用されます。
今後の展望
アビームコンサルティングの社長、山田貴博氏はこの導入を通じて、クライアントへの価値提供を徹底的に最大化していく意向を示しています。新たな提案機会の拡大に向け、AIを駆使したアプローチを強化し、顧客との関係を一層深化させるための取り組みを進める考えです。今後、AIエージェントによる支援がさらに際立ち、顧客のニーズに迅速に応える体制が整備されることでしょう。このように、アビームコンサルティングはSalesforceの力を活用し、競争優位性を獲得しつつ、持続的な成長を目指しています。