モダナイゼーションの現状
株式会社ROUTE06が実施した「モダナイゼーションの実態調査」によって、企業におけるモダナイゼーションの現状が明らかになりました。調査は基幹システムの企画・刷新に携わる管理職やSIer・ITベンダーの担当者を対象に行われ、328名からの回答が集まりました。
調査結果の概要
調査結果によると、約70%の企業がモダナイゼーションに動いていますが、約20%はその必要性を感じつつも未着手の状態です。さらに、約半数の企業が「構想段階」に留まっていることも明らかになり、実行に移せない企業が多いことが分かります。
その背景には、レガシーシステムの改修が滞っていることが挙げられます。特に、レガシー人材不足が影響し、システム改修の停滞や障害発生時の対応遅延、セキュリティ対策の遅れといった問題が顕在化しています。
最大の壁は情報不足
調査によれば、モダナイゼーションが進まない主な理由として、事業会社では「投資判断が不明確」であること、SIerでは「リスク不安」が挙げられています。このことが、企業がモダナイゼーションに踏み出すのを妨げている要因とされています。
約60%の回答者が、業務を止めずに移行できることや事前の可視化を重視していることも明らかになっており、成功する企業は「ロードマップ策定」と「影響範囲の可視化」が共通しています。
一方で、レガシー言語の変換時にはバグや不具合の発生が最も懸念されているため、品質管理や動作検証の工数に対しても課題が残っています。
成功への道筋
調査では、モダナイゼーションにおいて期待される効果は「スピード向上」である一方、実感としては「コスト削減」が多く挙げられました。新機能追加や改修のスピード向上といった攻めの効果と、実施後に実感される守りの効果の違いが見えてきます。
ROUTE06の取締役、松本均氏は、「技術的な難易度よりも影響範囲やコストの事前可視化が課題である」と指摘しています。また、レガシー人材の高齢化や属人化の進行が問題をさらに悪化させているとのことです。
今後の展望
企業にとってモダナイゼーションは単なる技術刷新ではなく、経営課題として捉える必要があります。今後は「いかに安全に進められるか」が問われるフェーズに入っており、AI技術を活用したシステム設計や構造把握が進む中、「システムの全体像や影響範囲の可視化」が求められています。
今後のモダナイゼーションにおける突破口として、AIを活用した判断材料の整備が重要な鍵となるでしょう。これにより、影響範囲やコストを事前に可視化し、段階的な移行を安全に進める仕組みが整えば、企業のDX推進にもつながると期待されています。