スズキ、空力性能を追求する革新的手法を採用
スズキ株式会社は、空力開発の効率化を目指し、株式会社RICOSが提供するAI-CAEソリューション『RICOS Lightning』の検証を加速しています。この取り組みは、自動車設計における空力シミュレーションの高速化を実現することを目的としており、業界に新しい風を吹き込む可能性を秘めています。
空力性能の重要性
自動車の空力性能は、燃費向上のための重要な要素です。車両の形状は空力性能に大きな影響を与えるため、実車製造前のデジタル段階で精緻な設計が必要とされます。これを実現するために、流体シミュレーションが活用されていますが、従来の手法では一つのデザインを予測するのに膨大な計算時間がかかります。
AIによる新たな挑戦
そこで注目されたのがAI技術です。 AIは迅速に予測を行う能力を持っている一方で、未見のデータに対する予測が難しいという制約も抱えています。スズキは、この制約を克服しつつ、高速化を実現する手法を搭載した『RICOS Lightning』を導入し、さまざまな車両形状における学習・予測を進めています。
RICOS Lightningの特長
RICOS Lightningは、RICOSが開発したAIアルゴリズム「IsoGCN」を搭載しており、シミュレーション結果を迅速かつ高精度に予測することができます。以下のような特長があります:
1.
高速化: 従来の方法に比べ、計算量が削減され、高速なシミュレーションが可能に。
2.
3Dデータの把握: 3次元形状を詳細に把握でき、複雑な設計にも適応。
3.
外挿の可能性: 流体解析、熱解析、構造解析の手法を組み込んでいるため、未知の形状にも対応可能。
4.
容易な操作: これまで必要だった厳密なメッシング作業が不要。
これらの特長により、数日かかっていたシミュレーションの計算時間を数分に短縮できた実績もあり、結果を即座に確認することが可能になりました。この進化により、スズキはリアルタイムでの製品設計の実現に近づいています。これまでの適用実績には、自動車の空力特性解析や電子部品の熱解析などがあり、ますます広がりを見せています。
未来への展望
RICOSは、自社製品を通じて、様々なものづくり現場で科学計算が有効活用されることを目指しており、将来的には瞬時に最適な性能をデザインできる世界の実現を目指しています。スズキとRICOSのコラボレーションが自動車業界にもたらす革新を、大いに期待する声が高まっています。
会社情報
スズキ株式会社
所在地:静岡県浜松市中央区高塚町300
代表:代表取締役社長 鈴木 俊宏
公式サイト
株式会社RICOS
所在地:東京都千代田区丸の内二丁目3番2号
代表:代表取締役 井原 遊
公式サイト
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