2025年に開院予定の大阪けいさつ病院に、株式会社大林組と社会医療法人大阪国際メディカル&サイエンスセンターが共同開発した、無影灯を必要としない天井照明型手術室「オペルミ」が導入されることが決定しました。この新しい手術室システムは、従来の無影灯に代わる革新的なアプローチで、手術環境の質を大きく向上させることが期待されています。
オペルミの特長
「オペルミ」は、天井全面に無影灯と同等の照明機能を搭載しており、手術中の視界を明るく、そして安定したものにします。具体的には、高輝度・高演色の50基の自動シューティングライトと、均等に手術室全体を照らす68基のフルカラーLED導光板パネルが組み合わされ、手術が行われる術野を照らす機能を提供します。このハイブリッドシステムにより、無影環境が実現し、熱による術者への負荷が劇的に軽減され、感染リスクの低減も見込めます。
改良点
オペルミ導入にあたり、大林組は新たに二つの重要な改良を行いました。
1.
シューティングライトの取り付け: 以前のオペルミは手術台上部にシューティングライトを配置していましたが、これを導光板パネル照明に取り付けることで、視野照明の角度調整範囲が拡大しました。これにより、手術中の術者の視界を柔軟に照らすことが可能になり、より深い術野への効果的な照明が実現されました。
2.
タブレット操作の導入: 専用タブレット端末を用いることで、自動シューティングライトと導光板パネル照明を一元管理し、効率的かつ迅速に操作できます。例えば、手術中に血液の色を確認する際には、照明色を緑色に調整するなど、手術の内容や状況に応じた自在な操作が可能です。
今後の展望
「オペルミ」は、無影灯を必要としないため天井高の制約を受けず、患者の輸送が容易になることから、病棟のさまざまなフロアにフレキシブルに設置することができます。また、新築の病院では、手術エリアの階高を低く設計できるため、建設費の削減にも寄与します。将来的には、アンギオ装置やロボット手術装置との連携を進め、ハイブリッド手術室や救急処置室における適用範囲を広げていく予定です。
株式会社大林組は、医療従事者の声をしっかりと聞きながら、未来の医療環境に向けた技術開発に取り組み、ウェルビーイングな社会の実現へと邁進していきます。今後のオペルミの展開に注目です。