JR青梅線沿線で「ふるさと」創生プロジェクト始動！トークン発行型クラウドファンディングで地域活性化

廃線や過疎化が進む地方路線の活性化は、日本各地で喫緊の課題となっています。そんな中、東京都西多摩郡奥多摩町を中心に展開する「沿線まるごとホテル」プロジェクトが、新たな地域活性化モデルとして注目を集めています。

このプロジェクトは、株式会社さとゆめと東日本旅客鉄道株式会社（JR東日本）が出資する「沿線まるごと株式会社」によって推進されています。JR青梅線沿線の駅舎や周辺の集落を「ホテル」に見立て、地域資源を最大限に活用したユニークな観光体験を提供することで、地域経済の活性化を目指しています。

「沿線まるごとホテル」：地域資源を活かした革新的な観光モデル

「沿線まるごとホテル」は、単なる宿泊施設にとどまりません。無人駅の駅舎をホテルフロントとして活用したり、沿線の空き家を改修して客室として提供するなど、地域住民との協働によって、地域全体をホテルとして運営する画期的な試みです。

プロジェクトの第一弾として、JR青梅線沿線エリアの古民家を改修したレストランとサウナが2024年春に開業予定。その後、客室のある古民家ホテルも開業し、最終的には5～8棟の古民家を宿泊施設として展開する計画です。

さらに、この地域事業モデルをJR青梅線以外の地域にも展開し、2040年までにJR東日本管轄エリア内30地域以上への拡大を目指しています。

トークン発行型クラウドファンディングで「ふるさと」を共創

「沿線まるごとホテル」プロジェクトでは、奥多摩町鳩ノ巣駅付近のエリアに開業する古民家レストラン、サウナ、宿泊棟の建築費や、地域資源を活用した体験コンテンツの開発費の調達のため、トークン発行型クラウドファンディングを実施しています。

クラウドファンディングプラットフォーム「FiNANCiE（フィナンシェ）」を利用し、資金援助だけでなく、地域づくりに共創してくれる企業や個人を募集しています。支援者には、デジタルアイテム「トークン」、レストラン利用券、ホテル宿泊権などの特典が提供されます。

トークンは、プロジェクトオーナー（沿線まるごと株式会社）と支援者を繋ぐデジタルアイテムで、需要に応じて価値が変動する点が特徴です。トークン保有者には、コミュニティ参加権、コミュニティ投票権、メニュー試食会参加権、ふるさとづくり（お庭づくり、わさび田づくりなど）への参加権など、さまざまな特典が用意されています。

奥多摩の自然と文化を体験できる共創活動

「ふるさとづくり」として提供されるワークショップは、奥多摩の自然や地域資源の魅力を五感で体験できる機会となります。庭師やわさび田農家と一緒に、お庭づくりやわさび田づくりに参加し、地域に貢献しながら、沿線まるごとホテルの世界観を肌で感じることができます。

わさび田づくりでは、2年かけてわさびを育てる過程に参加し、育てたマイわさびをプレゼントとして受け取れる特別な特典も用意されています。

地方創生をリードする企業とJR東日本の取り組み

「沿線まるごとホテル」プロジェクトを推進する「沿線まるごと株式会社」は、地方創生に特化した事業プロデュース会社である株式会社さとゆめとJR東日本の合弁会社です。JR東日本はグループ経営ビジョン「変革2027」の一環として、地域住民との協働による沿線活性化に取り組んでいます。

本プロジェクトは、地域住民、企業、JR東日本が一体となって「ふるさと」を創り上げる、新たな地域活性化モデルとして、今後の展開に注目が集まります。