不快指数が高い夏でも人気が高まる意外なメニューの変遷とは?
高温多湿が続く夏がやってきました。今年の気象庁の予報によると、全国的に平均気温が高く、特に不快指数も上昇する兆しを見せています。不快指数は、気温だけでなく湿度を考慮したもので、「80~84」は多くの人が不快を感じ、「85以上」はほぼ全員が非常に不快と感じるレベルです。この厳しい暑さに対して、私たちの食生活はどう変わるのでしょうか?
蒸し暑さによって変化するメニュー選び
暑さへの適応には約2週間かかると言われています。この期間中、我々の食べたいメニューも徐々に変わってくることが分かりました。不快指数85以上を経験した日数に基づいてメニューの傾向を見てみると、1日目から15日目までと16日目以降では明確な差が見られました。
初期段階(1-15日目)では、冷たい和風麺や冷やし中華などの「涼味麺」や、手軽な丼やチャーハン、さらにスタミナを意識したメニューが好まれる傾向にあります。これは、身体がまだ暑さに慣れておらず、冷たさや手軽さ、スタミナを求めるためです。
しかし、16日目以降になると、身体が少しずつ暑さに慣れてくるため、米や味噌汁、さらには野菜中心の煮物やサラダなどが増えてくることが確認されました。この変化は、体調管理や栄養バランスの重要性が意識されるためと考えられます。
印象的なメニューの登場
不快指数85以上の経験日数がさらに増えると、どのようなメニューが登場するのか、さらに深堀りしてみます。21日目以降には、普段あまり見かけないホットメニューが増加しています。「クリームシチュー」や「グラタン」、意外にも「湯豆腐」などがその一例です。この時期は、エアコンによる冷えも影響し、あえて身体を温める料理が好まれることが分かりました。
暑さ対策だけではないメニュー選び
一般的には、暑さ対策として「涼味系」や「時短系」のメニューが多く取り入れられますが、身体が暑さに慣れることで、栄養意識の高いメニューや温かい料理も需要が見込まれます。このことから、食事は単なる暑さ対策にとどまらず、身体を労わる要素が求められているのです。
私たちの食生活は、夏の暑さによって常に変化しています。涼味系メニューからスタミナ系、さらには健康を意識したホットメニューへと、身体のニーズに応じて進化していくのです。これを考慮した献立作りが、これからの夏を乗り切るポイントになりそうです。
【引用について】
株式会社ライフスケープマーケティング「食MAP®」
【調査に関するお問い合わせ】
株式会社ライフスケープマーケティング
お問い合わせフォーム
食MAP®は、食品の購入・調理・消費までのパネル形式調査を行い、食品メーカーや流通業でのマーケティングデータとして利用されています。