日鉄エンジニアリング、先進的CCSプロジェクトで新たな一歩
日鉄エンジニアリング株式会社(略称:日鉄エンジニアリング)は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が進める「先進的CCS事業」に関する基本設計業務を受注したことを発表しました。これは、2030年度までに二酸化炭素(CO2)の貯留を開始することを目指す取り組みの一環であり、日鉄エンジニアリングのグループが持つ技術力が活かされることが期待されます。
CCS事業とは?
CCSとは、「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、主に工業活動から排出されるCO2を効率的に回収し、地下に貯蔵する技術のことです。日鉄エンジニアリングは、高度な分離・回収技術を基に、このプロセスを様々な環境で実施可能です。特にその成果として、CO2分離回収技術のESCAP®が挙げられます。これは、製鉄所や発電所などから高純度なCO2を生産できる技術で、確認済みの商業機も存在します。
基本設計業務の内容
日鉄エンジニアリングは、日本製鉄と首都圏CCS株式会社から、それぞれCO2分離回収設備および海洋設備に関する基本設計業務を受注しました。この基本設計(FEED:Front End Engineering Design)は、プロジェクトの初期段階で重要な役割を果たします。具体的には、技術的な概念設計や経済性評価が行われ、その後の施工計画などの策定へとつながります。これにより、CCSプロジェクト全体の効率性やコストパフォーマンスを最適化することが可能となります。
日鉄エンジニアリングの技術的取り組み
日鉄エンジニアリングは、国内外で手掛けてきた数々のエネルギー・海洋資源開発プロジェクトを通じて、豊富な技術力と経験を蓄積してきました。CCSプロジェクトに必要な設備は、分離・回収、輸送、液化、貯蔵、圧入、貯留と多岐にわたりますが、同社はこの全てのプロセスをワンストップで提供できる能力を有しています。例えば、陸上パイプラインや海底パイプライン、海洋プラットフォームなどの設計や構築においても、その実績があります。
今後の日鉄エンジニアリングの取り組みは、CCSの社会実装を強化し、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に寄与することを目指します。
まとめ
今回の基本設計業務の受注は、日鉄エンジニアリングにとって大きな進展であり、さらなる技術革新と環境貢献への期待が高まります。エネルギーの未来を見据えたこの取り組みは、私たちの社会においても重要な役割を果たすことでしょう。JOGMECが支援することにより、CCSにおける不確実性を低減し、より堅実なプロジェクト進行を期待できます。