近代京都を支えた工学者たち
東京理科大学が主催する創設者シリーズ第3弾の企画展が、2025年10月1日から12月12日まで開催されます。本展のテーマは、「工学者を育成し、京都の近代化と地域振興に寄与した3人」です。取り上げるのは、難波正、三輪桓一郎、玉名程三の3人で、彼らの功績がどのようにして京都の近代化に貢献したのかを探ります。
企画展の概要
本企画展は、東京理科大学が創立150周年を迎えるにあたり、その歴史や先人の功績を振り返る連続企画の一環です。東京物理学講習所の設立に関連する21人の創設者たちについて、出版された研究や教育活動を通じて彼らの軌跡を辿ります。
難波正は、京都帝国大学理工科大学の初代学長として、実践的な工学教育を推進しました。三輪桓一郎は、ドイツでの経験を活かし、日本における数学教育の発展に寄与しました。そして玉名程三は、近代科学と伝統思想をつなげる試みに取り組んだ教育者でした。
展示の見どころ
1. 京都のエネルギー発展
難波正の最も注目すべき功績の一つは、日本初の商用水力発電所「蹴上発電所」を手がけたことです。このプロジェクトは、発電量を大幅に増加させ、京都市の電気供給を安定させる要因となりました。これにより、京都市電の増設や都市の発展が可能になりました。
2. 学問の国際交流
本展では、難波が1880年に官費留学生として留学した際の資料や、三輪が1904年に出席した「第3回万国数学者会議」の報告書を展示します。これを通じて、当時の国際的な学術ネットワークの一端を紹介する予定です。
3. 玉名程三の学問的探究心
玉名が執筆した「四易方位考」など、近代科学と伝統思想(易学)を結びつける試みを通して、彼の学問的探求についても考察します。彼の業績は、今日の学問にも多大な影響を与えています。
参加型のトークイベント
企画展中には、関連のトークイベントも開催予定です。難波の功績を振り返る講演や、三輪の学術活動に関する講演が行われます。専門家たちの知識や意見を直接聴ける貴重な機会です。
- - 「京都電気鉄道からLRTまで」講演(10月25日)
- - 「澤柳事件の一人となった三輪桓一郎」講演(11月8日)
- - 「数学と易学 玉名程三の足跡」講演(11月29日)
アクセスと開催情報
本企画展は、予約不要で無料で見学できます。東京理科大学近代科学資料館は、東京メトロ飯田橋駅から徒歩3分の立地にあります。ぜひご来場いただき、近代日本の工学者たちの魅力を体験してください。
企画の詳細情報は、東京理科大学の公式ホームページをご覧ください。皆様の訪問を心よりお待ちしております。