「子どもの体験とウェルビーイング」調査報告
日本の社会において、近年特に注目を浴びている「こどもの体験格差」。この問題に取り組む認定NPO法人フローレンスは、会員向けに「こどもの体験とウェルビーイング」に関するアンケートを行いました。調査は2025年の春と秋に実施され、体験に対する自己決定がウェルビーイングにどのような影響を与えるのかが明らかになりました。
調査の概要
「こども冒険バンク」の会員を対象として実施されたこの調査には、経済的に厳しい世帯やひとり親家庭、障害児家庭に焦点を当て、合計で1,490人のこどもからの回答が集められました。調査は、幸福度診断をベースに独自の設問が加えられて行われました。
調査結果のハイライト
1.
自己決定とウェルビーイングの関係:自らの意志で体験を希望していると答えた子どもたちのウェルビーイングスコアは、約6割が4.0以上と高い結果でした。反対に、「自ら希望していない」と答えた子どもたちのスコアはダウン。
2.
年齢との関連性:年齢が上がるごとに平均ウェルビーイングスコアは低くなる傾向が見られましたが、自己決定が高い層はその傾向が少なかったのです。
3.
体験の重要性: 「とてもそう思う」と答えた子どもたちにおいては、高いウェルビーイングを維持していることが分かりました。特に、体験を自分から希望した7割がポジティブな結果を得ています。
このように、自己決定の促進が子どもたちの幸福度を高めていることが数値で示され、体験の質向上が期待されています。
社会の変化と子どもたちの自由
調査において明らかになった体験格差の背後には、現代社会の構造的な変化があります。核家族化や共働き世帯の増加は、子どもたちが自由に遊ぶ機会を奪い、体験の選択肢を狭めています。結果として、保護者たちは忙しさから子どもに多くの選択肢を与えるのが難しくなり、この状況が自己決定の減少につながっています。
結論と今後の呼びかけ
フローレンスの調査は単なる数字の羅列ではなく、未来を担う子どもたちの幸せな成長に向けた重要なインサイトを提供しています。体験の豪華さや頻度だけではなく、自己決定の機会を増やすことがウェルビーイングの向上につながる可能性があることが示されました。
この問題解決には、NPOや行政、企業が手を組むことが必要です。こどもたちが自分で選択し、意義のある体験を通じて成長できる環境の設計が求められています。自身の経験からも、日常生活の中で小さな選択を重ねることが、豊かな心を育てる鍵になるのです。これからも、こどもたちの幸せな成長を見守るために、社会全体で協力していく約束をしましょう。