業界初、東洋船舶とJDSCが共同開発した「AI番頭」運航管理新時代を開く

業界初のAIソリューション「AI番頭」

三井物産グループに所属する東洋船舶株式会社と、データサイエンスを専門とする株式会社JDSCが共同で展開する新しいソリューション、「AI番頭」のサービスが発表されました。このサービスは、船舶運航に関する業務を効率化し、日々の確認や調査作業の負担を軽減することを目的としています。

「AI番頭」とは？

「AI番頭」は、大規模言語モデル（LLM）を活用したソリューションです。LLMは膨大なテキストデータを処理し、人間の言語を理解し生成するAIシステムであり、この技術を用いて船舶関連の各種ドキュメントを瞬時に検索し、の情報を提供します。サービスは2024年10月1日から開始予定で、東洋船舶が主導しています。

具体的には、船舶に関する契約書や技術情報、規則情報、FAQなど多岐にわたるドキュメントを横断的に調査し、顧客からの問い合わせに対し迅速に回答できるようになります。このことにより、専門知識に依存せずに一貫した結果を得ることが可能となり、従業員が行う確認作業の時間を劇的に削減します。

特徴とメリット

「AI番頭」には、多種多様な業務上の課題を解決するための機能が備わっています。社内に蓄積されたドキュメントやメールを基に、RAG（Retrieval-Augmented Generation）技術を通じて情報を抽出し、要約や回答、さらにはメールのドラフト作成を行います。

これにより、専門的な知識を持たない社員でも、高度な内容の質問に対応できるようになります。業務の均一化はもちろん、新しい人材の活用を進めることができ、後継者への業務手法の引き継ぎや知識の継承にも寄与します。

大規模言語モデル（LLM）の仕組み

船主は通常の運航管理に関する知識に基づき業務を行いますが、特定の専門的な知識が必要な場面も少なくありません。そんな時、「AI番頭」を通じてLLMが代わりに問いに対する回答を提供します。

しかし、正確で信頼性のある情報を提供するためには、RAGのプロセスが重要な役割を果たします。このプロセスを通じて収集された情報を基に、LLMが自然言語で流暢な会話を生成し、ユーザーに提供していきます。

今後の展望

JDSCは、LLMを活用した業務効率化が他の業界でも有効であると考えており、「AI番頭」をベースにしたさらなるソリューションの普及を目指しています。また、自己のデータサイエンスに基づき、AI、機械学習や数理最適化などの先端技術を社会に実装し、産業全体の課題解決に貢献していくことで、業界のアップグレードを推進します。