伝統と革新が交わる肥前吉田焼の新たな一歩
佐賀県嬉野市の吉田エリアでは、400年の歴史を誇る肥前吉田焼が未来を見据えた革新的な試みにチャレンジしています。その一環として、精成舎が開発したプロダクト「uzra(うづら)」が、2025年グッドデザイン賞・グッドフォーカス賞を受賞しました。この受賞は、吉田焼の新しい可能性を示すと共に、持続可能なものづくりに向けた大きな一歩となります。
新素材「晟土」の魅力
「uzra」シリーズは、従来の陶磁器業界が抱える環境問題に目を向け、新素材「晟土(せいど)」を使用して開発されました。この素材は、二酸化炭素の排出を約40%削減することを可能にし、釉薬を使用せずに鉄粉を用いた独特のデザインを採用しています。これにより、製造過程でのロスを軽減し、良品率を99%にまで向上させることに成功しました。この斬新なアプローチは、通常は不良である要素を逆手に取り、実用性と美しさを両立させています。
デザイナーの安積伸氏は、このプロダクトに「これからの吉田焼を明るく照らしてほしい」という願いを込めています。その形状や質感は、使用者の生活に自然に溶け込み、暮らしの中に信頼感をもたらします。
受賞の背景と審査員の評価
受賞を受け、株式会社224(精成舎)の代表である辻 諭氏は「名誉ある賞をいただき、心から嬉しく思います。この受賞を機に、吉田焼の新たな可能性が広がることを願っています」とコメントしました。審査委員の石橋 忠人氏や北川 大輔氏などは、本製品が環境負荷を軽減しつつ、ユニークな表情を持つことに革新性を感じ、評価を称賛しました。
環境への配慮と地域活性化の取り組み
肥前吉田焼の地元では、400年の伝統を活かしながら、さまざまなプロジェクトが進行しています。アーティストとのコラボレーションや、新素材を生かした商品開発、マーケティング部門の設立など、多岐にわたる取り組みが進められています。特に「磁器×3Dプリンティング」に関するデザインコンペティションは、産地としての新たな挑戦を象徴するもので、国内外からの関心を集めています。
豊かな自然環境を持つ嬉野市では、地域の特性を活かした持続可能なものづくりの理念が根付いており、これからの発展が期待されます。肥前吉田焼の「uzra」が新しい時代の幕開けを告げる存在となることは間違いありません。
結論
今後も肥前吉田焼は、伝統を守りながらも未来を見据えた革新を追求していくことでしょう。その姿勢は、私たちに持続可能なものづくりの重要性を再認識させ、より豊かな社会の創造に向けたヒントを与えるものです。この地域での取り組みからは、まだまだ多くの可能性が見いだされ、全国・世界に広がることを願っています。