IT人材の約4割が副業に興味、働き方の変革が進む中での調査結果

IT人材、約4割が副業に興味

レバテック株式会社が実施した調査によると、IT人材の約4割が副業に対して何らかの興味を示していることが明らかになりました。近年、テクノロジーの進化やビジネス環境の変化に伴い、多様な働き方が求められる中で、この調査がどのような意味を持つのかを探ります。

調査の背景

レバテックは「日本を、IT先進国に。」というビジョンを掲げ、IT人材を採用する企業担当者1000名と、IT人材3000名に対してオンライン調査を実施。この調査から導かれた「レバテックIT人材白書2025」では、副業に対する高い関心が示された一方で、実際の副業実施者は少数派であることもわかりました。特に、収入源の増加を目指す傾向が強いことが興味深い結果です。

副業への関心の高まり

調査によると、約40%のIT人材が「とても興味がある」または「やや興味がある」と回答しました。この興味を持つ理由として最も多いのは、86%が「収入源を増やすため」と回答しています。この背景には、急速な技術革新や社会の変化に伴って、安定した職場環境が減少しつつあることが影響していると考えられます。それに続くのは「スキルアップしたいから（31.5%）」、さらには「自身のスキルを試したいという動機（16.4%）」があります。これらの動機はまさに、自己の成長と将来の不安を解消する手段としての副業の重要性を示しています。

副業経験者の現状

とはいえ、実際に副業を行っているIT人材はわずか14.3%であり、高い関心とは裏腹に具体的な行動には結びついていない現実があります。副業経験者が感じた最も大きなメリットは「収入が増えた」という意見が66.4%にのぼりました。また、過去数年の間に副業を始めた人が増加していることは、今後の副業市場の拡大を暗示しています。

副業収入の実態と時間的余裕

副業による収入は、最も多く回答された範囲が「1万円～5万円未満（38.1%）」であり、次いで「5万円～10万円未満（22%）」という結果が得られました。このことから、多くの人が副業を通じた収入補填を行っている様子が伺えます。また、1週間あたりの稼働時間は「5時間未満（35%）」や「5～10時間未満（36.7%）」が多く、副業が本業に与える影響を考慮した働き方を選んでいることも明らかです。

副業に関する職場環境

興味深いのは、所属企業における副業の規制の実態です。調査では、52.5%のIT人材が「副業が会社で認められていない」と回答しており、実際には副業を行う環境が整っていないことが浮き彫りになりました。このような状況の中で、副業に興味を持つものの、「時間的余裕がない」と「体力的に余裕がない」という理由が上位に挙げられ、本業の負担が副業への挑戦を妨げていることも明らかになっています。