目次
1. はじめに
2. Fry to Fly Projectとは
3. 東京での取り組み
4. SAF供給の開始
5. 世界の航空業界の目標
6. まとめ
1. はじめに
日揮ホールディングス株式会社(以下、日揮HD)と東京都、ANA、日本航空(JAL)が共同で取り組む「Fry to Fly Project」により、国産持続可能な航空燃料(SAF)の供給が羽田空港で始まりました。このプロジェクトは、廃食用油を原材料にしたSAFの実用化を目指すものであり、環境問題への取り組みとして大きな意義を持っています。
2. Fry to Fly Projectとは
「Fry to Fly Project」は、家庭や店舗から出る廃食用油を航空機の燃料として利用することを目的としたプロジェクトです。これにより廃棄物を再利用することで、地域の資源循環を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。このプロジェクトには、約200社以上の参加企業や自治体が賛同し、廃食用油の回収とSAFの普及活動を行っています。
3. 東京での取り組み
東京都は、2024年3月より「東京 油で空飛ぶ 大作戦」を開始し、都民の意識改革を図る家庭の廃油回収を促進しています。さらには、2025年5月から東京2025世界陸上を契機に「家庭の油 回収キャンペーン」を展開し、アスリートをPR大使として活用していく予定です。こうした社会的な取り組みは、地域住民の行動変容を促し、SAFの認知度向上にも寄与します。
4. SAF供給の開始
今回羽田空港で供給が開始されたSAFは、日揮HDが東京都と連携して回収した廃食用油を使用し、大阪府堺市の製油所で量産されています。また、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造したこの燃料は、国際的な持続可能性認証を受けており、環境に優しい選択肢として注目されています。2024年末には日本初の大規模SAF製造設備が完成予定で、2025年4月からは安定的な国産SAFの供給が見込まれています。
5. 世界の航空業界の目標
国際民間航空機関(ICAO)は、2050年までに航空機によるCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。それに向けて、2024年以降、2019年比での排出量削減が求められています。航空業界全体での脱炭素化の動きは加速しており、Fry to Fly Projectはその重要な一環と位置づけられています。
6. まとめ
国産のSAFが羽田空港で供給開始されることは、航空業界にとっての新たな希望であり、持続可能な未来に向けた大きな一歩です。消費者や自治体、企業が一体となって進めているこのプロジェクトは、廃食用油のリサイクルが航空燃料として活用されることで、環境に配慮した移動手段を実現する可能性を秘めています。今後の取り組みから目が離せません。