事業承継を支援するハイドリック・アンド・ストラグルズの新たな挑戦

タイムリーな経営人材のニーズが高まっている日本。高齢化が進む日本の中堅オーナー企業や未上場企業において、経営者の後継者問題は喫緊の課題となっている。そうした背景の中、世界的なエグゼクティブ・サーチ企業であるハイドリック・アンド・ストラグルズジャパン（以下H&S）は、専門部署「ジャパンデスク」を中心に事業承継や役員採用の支援を強化する決定をした。

中堅企業の後継者問題

日本の経営者の間で後継者不足が深刻化しています。特に中堅オーナー企業や未上場企業では認知度が低く、優秀な後継者を見つけることが非常に難しい状況です。大企業に比べてこれらの企業は魅力をアピールできず、適切な人材を確保するための障壁が高いとされています。

ハイドリック・アンド・ストラグルズの概要

H&Sは1953年、米国シカゴで設立され、現在では世界約70か所に1,400人以上の専門スタッフを抱えています。日本にも1992年から拠点を構えており、経営層の採用から企業文化の形成まで、さまざまなサービスを提供しています。特に、同社の「ジャパンデスク」は、国内外の顧客のニーズに応えるため、日本企業向けの専門的なサポートを行っています。

「ジャパンデスク」の役割

2008年に設立された「ジャパンデスク」は、日本企業を専門的にサポートする組織です。経営の変革や海外展開を目指す日本企業からのニーズを受けて育成した「国籍を問わない経営人材」とのネットワークを構築しています。具体的には、海外で活躍中の日本人、そして国内外の大企業での経験を持つ人材が求められています。このような人材の紹介を通じて、日本企業の成長を支援しています。

計画している支援内容

今回の支援強化では、特に食品産業や労働集約型のサービス業に焦点を当てています。これらの産業は老舗企業が多く、リーダー不足が指摘されているため、事業承継のための経営人材のニーズが高いのです。

H&Sは、大手投資会社との連携を進め、新たな顧客獲得に向け戦略的なアプローチを展開する計画もあります。この試みは、経営人材の流動性が低い日本企業に対し、積極的に人材紹介を行うことで、より多くの企業が適切な後継者を見つける手助けとなるでしょう。