日本における女性アーティスト研究を支援する新たな取り組み
国立アートリサーチセンター(NCAR)とAWARE: Archives of Women Artists, Research and Exhibitionsが共同で始める「NCAR×AWARE 女性アーティスト リサーチフェローシップ」は、女性アーティストに関する研究を一層推進するための画期的なプログラムです。このフェローシップは、日本国内に居住または滞在している研究者やキュレーターを対象とし、視覚芸術の分野で活躍する女性アーティストに焦点を当てた研究を支援するものです。
フェローシップの概要
本フェローシップでは、1件あたり最大5,000ユーロの研究費が支給され、年間で採択される研究の件数は最大2件となっています。また、研究期間は2026年4月から2027年3月までの1年間です。公募の応募期間は2025年12月12日から2026年1月31日までとなっており、幅広い研究テーマが募集されます。
AWAREの使命と取り組み
AWAREは、パリを拠点に女性アーティストの貢献を明らかにし、美術史をジェンダーに配慮した視点から再構成することを目指している非営利団体です。2026年1月からは、ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センターの一部門として新たなスタートを切ります。
この団体の特筆すべき点は、16世紀から21世紀までの女性およびノンバイナリーアーティストに関する情報を集約していることです。ウェブサイトでは、1,400本以上のアーティストに関する伝記的テキストが掲載され、世界中の人々がそれにアクセスできるようになっています。このような情報の普及は、女性アーティストの視点を重要視するきっかけとなり、彼女たちの活動が国際的に認知される助けとなります。
研究成果の公開
採択された研究成果は、NCARおよびAWAREの公式ウェブサイトを通じて公開される予定です。これにより、研究者たちの知見や発見が広く共有され、女性アーティストに関する知識が深まることが期待されます。特に、視覚芸術分野における女性アーティストの存在や影響力を再評価する機会となるでしょう。
今後の展望
NCARとAWAREは、この新しいフェローシップを通じて、日本国内での女性アーティスト研究の活性化を図り、国際的な研究の基盤を確立し、文化的多様性の推進にも貢献していく考えです。また、日本のアートシーンにおいて、女性の視点がどのように活かされているかを探求することは、今後の美術活動において非常に意義深いものとなります。
特に、研究者たちは自らの専門性を生かして、独自の視点から女性アーティストの作品や活動を分析し、新しい知見をもたらすことが期待されています。これにより、美術史の中での女性アーティストの位置づけがより明確になるでしょう。
お問い合わせ先
「NCAR×AWARE 女性アーティスト リサーチフェローシップ」について興味のある方は、NCARのウェブサイトから詳細を確認し、応募を検討してみることをお勧めします。国立アートリサーチセンター国際発信・連携グループへのお問い合わせも可能です。国際的な文化交流の一環として、ぜひこの貴重な機会を活用していただきたいです。
NCAR公式ウェブサイト
AWARE公式ウェブサイト