放熱強化基板が登場
2025-07-28 10:22:55

OKIサーキットテクノロジー、宇宙機器向け放熱強化基板を開発し販売開始

OKIサーキットテクノロジーが発表した新たな基板技術



OKIグループの一翼を担うOKIサーキットテクノロジー(以下OTC)は、宇宙機器向けの新しいプリント配線板「銅コイン埋込フレックスリジット基板」を2025年8月より販売開始すると発表しました。この基板は、真空環境における放熱性能を強化しており、特にロケットや人工衛星の搭載機器での利用が期待されています。

フレックスリジット基板の特長



フレックスリジット基板は、一般的にフレキシブル基板(FPC)とリジット基板(PCB)を組み合わせた構造で、薄型かつ高い耐久性を誇ります。この基板は、狭いスペースへの搭載が可能なため、宇宙機器などの小型化が求められる分野で特に効果を発揮します。また、コネクタレスの設計が実現されているため、さらなる省スペース化や軽量化、実装工数の削減も実現できています。

課題解決に向けた新技術



宇宙空間では、地上とは異なり対流が無いため、発熱する電子部品の効果的な放熱が難しいという課題があります。OTCでは、高い熱伝導率を持つ銅を用いることで、この問題を解決しました。特許技術である「銅コイン埋め込みPCB技術」を用いて、基板のスルーホールに銅コインを挿入し、高発熱部品と接合することで、効率的な放熱を実現しています。これにより、今回開発されたフレックスリジット基板は、真空環境でも高い放熱性を発揮します。

高い信頼性



OTCは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のPCB規格について全ての付則の認定を取得しており、宇宙機器向けPCBの分野において高いノウハウと信頼性を持っています。様々な要求スペックに応じた柔軟な対応が可能であり、小ロット生産にも対応しているため、開発段階から試作、量産までスムーズに行うことができます。これは、OKIの中期経営計画2025においても、航空宇宙市場を重視していることが影響しています。

未来に向けた展望



OTCは、2026年度にはこの基板の年間売上として2,000万円を目指しています。中期経営計画において、航空宇宙市場はEMS事業の重要な分野と位置付けられています。OKIは、機器設計段階でのシミュレーションや高度なモノづくり力を活用して、グローバルな航空宇宙市場への進出を目指しています。

OKIサーキットテクノロジーは、2025年7月30日から8月1日に東京ビッグサイトで開催される宇宙ビジネス展「SPEXA」に出展し、この新しい基板についても具体的な紹介を行う予定です。これにより、さらなる技術開発や販売拡大が期待されており、宇宙航空産業界の発展に寄与することが期待されます。

まとめ



OTCが開発した「銅コイン埋込フレックスリジット基板」は、現代の宇宙機器における熱管理の重要性を認識させるものであり、今後の販売と市場展開に注目が集まります。技術の進化が新しい宇宙産業の発展に繋がることを期待しています。


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会社情報

会社名
沖電気工業株式会社
住所
東京都港区虎ノ門1-7-12
電話番号
03-3501-3111

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