AI活用の現状
2025-08-20 11:57:20

生成AIの活用状況とビジネス情報収集の現状に迫る

生成AIの利用状況とビジネス情報収集の課題



株式会社日本能率協会総合研究所が行った調査によれば、日本の大企業の研究・開発職における生成AIの情報収集活用は13.5%という、あまり高くない数値にとどまっています。この結果は、生成AIを含む新たなツールが次々に登場しているにもかかわらず、研究・開発職のビジネスパーソンが情報収集に対して慎重であることを示唆しています。調査結果を詳しく見ていきましょう。

調査の概要



調査は2025年7月16日から25日の期間中、従業員数が1,000名以上の企業の研究・開発職に所属するビジネスパーソンを対象にインターネットで実施され、1,461名からの回答を得ました。この調査では、ビジネス情報収集のためにどのような手段が使われているか、またその過程で感じる課題について具体的に探ります。

生成AIの利用状況



生成AIは全体の収集手段の中で第8位に位置し、その利用率は13.5%でした。この数字は、個人用利用率が26.7%とされる総務省の『情報通信白書』と比較すると、かなり低い水準です。これからの時代において生成AIがいかに普及していくかは鍵となりますが、少なくとも現在はまだ十分に利用されているとは言えない状況です。

多くのビジネスパーソンが情報検索に際し、「インターネット検索」や「ニュースサイト・業界メディア」を主な情報源としている一方で、生成AIの利用は広がりを見せていないのが実情です。この傾向から、研究・開発職においては依然として伝統的な情報収集方法に頼っていることが見て取れます。

情報収集における課題



調査結果では、情報収集において最も多く挙げられた課題は「必要な情報が見つからない・得られない」という点で、32.5%の回答がありました。次いで「情報収集する時間や余裕がない」が28.6%で続きます。つまり、多忙であるために必要な情報を見つけられない人が非常に多いのです。

また、信頼できる情報源の評価や判断が難しいこと、生成AIを導入していてもその活用法が分からないといった声もありました。これらの課題は、情報の質や精度に大きく関わってくるため、特にビジネス上の意思決定に影響を及ぼします。

重視される情報の質



情報収集において最も重要視されているのは「質・精度」であり、37.2%の回答がこの点を挙げています。スピードや手軽さよりも、むしろ情報そのものの質が求められているのです。この観点で見ると、生成AIを利用するビジネスパーソンほど質・精度を重視していることが分かります。しかし、一方では「必要な情報が得られない」という課題もまた浮かび上がっており、生成AIとその利用者間でのギャップが見える結果となっています。

結論



このように、生成AIはビジネス情報の収集手段として一定の可能性を秘めていますが、現実の利用状況は課題も多く残されています。質の高い情報収集がビジネスの成功に直結する中、今後はより一層、ツールの利用法や信頼性を見極めながら、必要な情報を収集することが求められていくでしょう。生成AIやデジタルツールは「入口」としては有効でも、さらに踏み込んだ戦略的な意思決定を行うためには、質と精度を重視した情報収集が不可欠です。


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