医療情報過多が引き起こす混乱、行動に迷う8割の実態とは
近年、インターネットの普及に伴い、様々な情報にアクセスできるようになりましたが、医療に関しては新たな課題も浮き彫りになっています。それは、情報が多すぎるために適切な判断ができず、行動に移れない人が多いことです。Ubie株式会社が実施した「医療アクセス実態調査2025」の第2弾では、インターネットでの情報収集後に行動に移れない人々の実態が明らかになりました。
調査の背景と目的
Ubie社は、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ことを使命に掲げています。調査の目的は、特に情報収集後の行動に焦点を当て、ネット上での情報がどのように実際の医療行動に影響を与えているかを明らかにすることでした。
調査結果の要点
第2弾調査の結果によれば、約76.5%の人が情報収集後、次の行動を決める際に何らかの困難を感じていることがわかりました。その中でも、42.0%の人々は「立ち往生」状態となり、情報過多や判断材料の不一致から行動を決められない状況に陥っています。さらに、集めた情報をもとに行動した結果、28.5%が専門外の医療機関を受診するなど不適切な行動を選択してしまったことも示されています。
このように、インターネットを通じて情報を収集することが、必ずしも適切な医療行動につながっていない実態が浮き彫りになりました。
ネット情報の信頼性
また、調査データは非常に興味深い結果を示しています。健康情報をインターネットで調べた人の75.2%が、その情報の信頼性に関して自信を持てていないと答えました。多くの人が情報の真偽を見極めることに苦しんでおり、その結果、結果的に不安や混乱を感じる人が増えていることが指摘されています。
専門家への相談の心理的障壁
さらに、専門家への相談をためらう理由として「気兼ね」や「説明への不安」が上位に挙げられています。具体的には、症状が軽微だから相談するのが気が引ける、あるいは、自分の症状をうまく説明できる自信がないという心理的な障壁です。これらの問題が続くことで、医療の適切なアクセスが阻害され、結果的に健康状態の悪化を招いていると考えられます。
社会への影響
こうした現象は個人の医療行動に留まらず、社会全体にも影響を及ぼします。早期の受診が求められる病状であっても、判断を誤ったがために適切なタイミングで医療機関を受診できず、症状が悪化してしまうケースが多く見られます。医療システム全体への負荷が高まり、国民医療費の増大にもつながる重要な懸念です。
結論
Ubie社の阿部吉倫氏は、これらの課題は医療情報へのアクセスが向上したことに伴う構造的な問題であると述べています。今後、テクノロジーを駆使し、誰もが適切な医療に迷うことなくアクセスできる社会の実現に向けて、Ubieは引き続き取り組んでいく方針です。医療迷子をなくすための施策が必要とされています。
この調査が、医療情報の収集において利用者が直面する課題を理解し、解決する手助けになることを期待しています。