2025年版 たまひよ妊娠・出産白書の概要
株式会社ベネッセコーポレーションが発表した「たまひよ妊娠・出産白書2025」は、全国の乳幼児を持つ父母を対象にした調査に基づいています。この調査は2024年秋に行われ、父親の出産・育児に関する休暇取得の実態や、子育てに対する意識が調査されました。
この研究は、2020年秋から続くもので、コロナ禍などによる育児環境の変化を受けて行われています。ここでは、調査結果をもとに父母の実態や意識の概要を見ていきましょう。
1. 父親の出産・育児休暇の実態
調査によれば、最近の父親が出産・育児のために取得した休暇の日数が増加傾向にあることがわかります。特に、1カ月以上の休暇を取得した父親の割合は3年前と比べて約34%に達しました。これは、出産後のパパ育休の利用が広がっていることを示すもので、昨年よりも9.5ポイント増えた32.4%の父親がこの制度を利用したと報告されています。さらに、休暇を取っていない父親の割合も9.8%に減少し、ほとんどの父親が何らかの休暇を取得する意向を示しています。
2. 出産・育児に対する意識の変化
しかし、一方で「出産・育児がしにくい」と感じる母親が依然として約7割を占めています。母親の「出産・育児がしやすい」という声は12%にとどまり、父親でも33.7%に過ぎません。この結果は、父母間での意識に大きな差があることを示唆しています。特に、経済的な負担が多くの家庭に影響を与えていると考えられ、「出産・育児しにくい」と感じる理由として提示されています。
さらに、家族計画についてでは、「子どもをあと1人以上欲しい」と考える母親が減少傾向にあり、今年もそのトレンドが続いています。
3. 2024年のトピックス
2024年における注目ニュースとしては、父母ともに「児童手当の拡充」が挙げられています。出産・育児における政策が認知され、利用されていることが確認されましたが、まだ課題は残っています。例えば、里帰り出産の割合が39.6%に減少し、さらに、父母が出産や育児に奔走する姿が浮き彫りになってきています。
4. 調査結果の意義
調査結果は、支援策が充実しているにも関わらず、育児に対する孤立感や時間のなさが課題となっていることを示しています。「時間的貧困」という概念が育児世代にも当てはまり、仕事と育児の両立に苦しむ多くの家庭が存在します。今後は、父母向けの支援が必要とされるなか、社会全体で子育てを応援する環境づくりが求められています。
まとめ
「たまひよ妊娠・出産白書2025」は、父親の育休取得や出産・育児に対する意識の変化を明らかにし、今後の支援の必要性を強調する調査結果となりました。我々は、このデータを基に子育てを取り巻く環境を改善していく必要があります。子どもが育ちやすい社会を実現するためには、さらなる努力が求められています。