日本茶と工芸が織り成す静かな体験
2023年6月28日・29日、アメリカ・ロサンゼルスにて、特別な体験型イベント「Let's Have Tea」が開催されました。このイベントは、全席完売の20席限定で、参加者に日本茶と日本の工芸が調和した静かな時間を提供しました。
静かなる儀式、日常の美を再発見
本イベントでは、華やかなエンターテインメントとは異なり、「静かな儀式(Quiet Rituals)」というテーマの元、日本茶の体験を再構築しました。参加者は、金網つじ製の調理道具とともに、ロサンゼルスの旬の食材を使用して、茶を淹れることができました。特に、八角形のティーカップはロサンゼルスの建築スタジオOWIUによって特別にデザインされたもので、茶を淹れる行為と一杯を味わうことで、心を落ち着かせる時間を楽しめたという声が多く寄せられました。参加者が発した「茶を“淹れる”という行為が思考を静める時間だった」といった感想は、本イベントの理念を体現しています。
多彩な茶のラインナップと参加者の声
提供された茶は、主催者であるダイエンが厳選し、茶の淹れ方や器、食材とのペアリングに至るまで全て手掛けたもの。また、特別ゲストとして京都の金網つじから辻徹氏を招待し、京都以外の産地に注目。鹿児島の有機煎茶、佐賀の有機新茶、静岡の有機ほうじ茶、さらに抹茶まで多彩なラインナップと共に、参加者は日本茶の多様性を再認識しました。
20年以上の経験を持つ茶道の師匠も参加し、現代の感性と自然の恵みが調和した体験に感動の声が続々と。参加者の中には、「何度でも新しい気づきがある」と感嘆する人もいました。
旬の野菜とともに楽しむ暮らしの文化
お茶に合わせて提供された南カリフォルニアの旬の食材は、地元のファーマーズマーケットから仕入れたもので、イチジクや茄子、インゲンやヤングコーンなどが使用されました。これらの食材は金網つじのバスケットやグリルで調理・展示され、日本の工芸が日常生活の中で生きている様子を参加者に感じさせました。
お茶のある日常、一杯の背後にある価値
このイベントの特色は、著名人の参加があったためだけではなく、空間が包む静けさや丁寧に淹れられた茶にあったと言えます。人々はその手仕事がもたらす日常の美を再発見し、職人の技と日本文化の奥深さを体感しました。「豊かさとは何か」という問いに対する答えを見つける貴重な時間が、ロサンゼルスに広がったのです。このようなイベントは、日本の美意識と手仕事の魅力が、多くの人々の心に響くことを示しています。
次回は9月の開催予定
「Let's Have Tea」は、ロサンゼルスから発信される日本茶ポップアップとして、2023年のスタート以来、食通やメディア、著名人からも支持を受けています。次回は2023年9月13日・14日の日程で予約制で行われ、ますます注目を集めるイベントとなっています。日本各地の有機茶とカリフォルニアの新鮮な食材の組み合わせを楽しみながら、日本の美意識と豊かさに触れる貴重な時間を体験してみませんか。