FMCが半導体業界に新たな基準を打ち立てる資金調達を実施
2025年11月13日、ドイツ・ドレスデン発 - 半導体の先駆者であるFMCは、革新的な技術を通じてメモリチップの新たな基準の設定に向け、合計1億ユーロの資金調達を成功させました。この資金は、7000万ユーロのシリーズC株式資金と2300万ユーロの公的資金からなり、欧州半導体業界における大規模な資金調達の一つとして注目を集めています。
資金調達は、HV CapitalとDeepTech & Climate Fund(DTCF)が主導し、VSquared Venturesやその他の既存投資家も参加しました。また、東京エレクトロンのCVC、TELベンチャーキャピタルや、ユニバーサルマテリアルズインキュベーターも新たにこのラウンドに名を連ねています。
新たに集められた資金は、FMCのDRAM+および3D CACHE+メモリチップの商業化を一層加速させます。これにより、エネルギー効率が大きく向上し、AIデータセンターやAIエッジアプリケーションにおけるグローバル展開を強力に後押しします。FMCのメモリチップは、既存の製品と比較してシステム効率や処理速度を100%以上向上させる潜在能力を持ち、1000億ユーロ規模のメモリ市場における新しい業界基準を形成しつつあります。
FMCのCEO、トーマス・リュッケス(Thomas Rückes)は、「持続可能性とエネルギー効率を兼ね備えたメモリチップの開発に取り組んでいる」と語り、次世代のAIコンピューティングにおいてはエネルギー効率がますます重要になってくると強調しています。また、メモリチップはAI集積回路のボトルネックを解消し、グローバルなAIテクノロジーの発展を促進します。この資金調達によって、FMCの技術がさらに重要視され、主要なディープテック投資家からの信頼が寄せられています。
HV Capitalのパートナー、ファビアン・グルナー(Fabian Gruner)氏は、FMCのメモリチップ技術がユニークであり、世界の業界基準を再定義する可能性があると強調しています。DTCFのトルステン・レフラー(Torsten Löffler)氏は、FMCの技術は増大するAIインフラのエネルギー需要に対応できる理想的なソリューションであると述べています。
また、eCAPITALのパートナー、パウル=ヨーゼフ・パット(Paul-Josef Patt)氏は、FMCが目覚ましい成長を遂げると見込んでおり、高い商業化の可能性を見込んでいます。
今後、増大するエネルギー供給能力を背景に、AIデータセンターは世界中のエネルギー生産量の大きな割合を消費すると予測されています。このため、FMCの持続型DRAM+と3D-CACHE+技術は、エネルギー効率の向上と演算効率の改善につながると期待されています。具体的には、従来型メモリの代わりにFMCの技術を用いることで、AIアプリケーションにおける処理速度が100%以上向上することが見込まれています。
現在、FMCはドイツのドレスデンを拠点にし、半導体業界において重要な役割を果たしています。ファブレス企業として、自社の製品設計・開発・販売を行いながら、製造は契約製造業者に任せています。FMCの革新技術は、持続可能な情報処理基盤の構築に貢献しており、特にAIデータセンター向けのエネルギー効率を大幅に向上させることが期待されています。これにより、FMCは欧州の半導体市場での重要なプレーヤーとしての地位を固めつつあります。FMCが開発したDRAM+チップは、ハフニウム酸化物を採用した薄膜材料を利用し、高速かつ低コストな性能を実現しています。今後も、FMCの革新的な取り組みから目が離せません。
会社情報
- 会社名
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Ferroelectric Memory GmbH(FMC)
- 住所
- Charlotte-Bühler-Straße 12, 01099 Dresden, Albertstadt, Sachsen, Germany
- 電話番号
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