学生主体の金融教育「FESコンテスト」優秀賞受賞の背景と展望

「FESコンテスト」が優秀賞を受賞

一般社団法人日本金融教育支援機構が主催する「FESコンテスト」が、東京都の「令和7年度こどもスマイルムーブメント大賞」において優秀賞を獲得した。このコンテストは、中高生が小学生向けに金融の知識を伝えるための動画を作成し、その発表を行う全国規模の教育イベントだ。

こどもスマイルムーブメント大賞とは

この賞は東京都の「こどもスマイルムーブメント」の一環として、子供の笑顔を育む活動を行う団体や企業に与えられるものだ。子供たちの視点を反映した評価を得ることで、社会全体が子供を大切にする気運を高めることを目的としている。選考は、子供たちによる投票によって行われるため、その結果は子供の意見がいかに重要かを示すものとなる。

FESコンテストの主要な特徴

FESコンテストは、子供たちに金融教育を届ける新しいモデルとして注目を集めている。中高生が制作した1分間の動画を小学生が視聴し、評価するという参加型の形式が特徴だ。2025年には第3回の開催を予定し、今年度も中高生が対象のコンテストとして更なる広がりを見せた。

参加者の増加

今年の共催には株式会社ゆうちょ銀行が名を連ね、文部科学省や金融庁、消費者庁、東京都が後援という形でサポートが強化された。また、今年の応募作品数は897と過去最多を記録し、地区大会も10府県に広がりを見せ、事前のワークショップが各地で行われたことで、多くの学生が金融教育に触れる機会を得ている。

小学生審査員制度の導入

特に注目すべきは、今年から導入された小学生審査員制度である。小学生が審査員となって中高生の動画を評価し、その意見を反映した審査が行われた。この取り組みは、子供中心の教育を重視する「チルドレンファースト」の理念とも親和性が高い。

審査を行った小学生たちは、動画の視聴を通じて金融教育に対する関心を抱き、「中学生になったら出場したい」と今後の意欲を見せたという。これは子供たちにとっても貴重な体験となり、金融教育の重要性を感じるきっかけとなった。