デジタル化と先行者利益
2014-11-18 13:22:26
デジタル化時代の先行者利益:ベライゾンとHBR調査が明らかにするテクノロジー早期採用の優位性
デジタル化時代の先行者利益:ベライゾンとHBR調査が明らかにするテクノロジー早期採用の優位性
ベライゾンとハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)アナリティックサービスが共同で行った調査「デジタル化の恩恵:先発者の優位性」の日本語版が発表されました。この調査は、デジタル技術の早期導入が企業にもたらすメリットを浮き彫りにした画期的な内容となっています。
早期導入企業の圧倒的な成果
調査によると、新しいテクノロジーをいち早く導入した企業(「IT分野の先駆者」)は、収益成長率と市場でのリーダーシップにおいて、競合他社を大きく引き離していることが明らかになりました。これらの企業の20%は、30%以上の収益成長率を達成しており、これは「後発組」の2倍以上、「慎重派」の3倍にも上ります。
調査概要と対象企業
この調査は、世界中の672社という大規模なサンプルを対象に実施されました。対象企業は、モバイル、ソーシャル、クラウドコンピューティング、高度分析、M2Mといった「ビッグ5テクノロジー」において影響力のある企業やテクノロジーリーダーです。調査の目的は、これらのテクノロジーが組織の変革と株主価値向上にどのように貢献するかを明らかにすることです。
テクノロジーがビジネスモデルを革新
ベライゾンエンタープライズソリューションズの最高マーケティング責任者、トニー・レシーン氏は、「企業はイノベーションによって常に進化し続ける必要がある」と述べています。調査では、テクノロジーがビジネス成長の鍵であり、新たなビジネスモデルの創出や顧客対応モデルの革新を推進する重要な役割を果たしていることが示されました。特に、複数のテクノロジーを統合したソリューションが大きな価値を生み出すと指摘しています。
IT先駆者の特徴
調査では、テクノロジー導入への姿勢を「IT先駆者」「後発組」「慎重派」の3つのタイプに分類しました。IT先駆者は、テクノロジーがビジネスモデルや製品・サービスを大きく変革すると考えており、その割合は54%と52%に達します。一方、後発組や慎重派ではこの割合がはるかに低くなっています。
テクノロジー導入の現状と課題
調査対象企業の多くは、クラウドコンピューティングやモバイル化、ソーシャルメディアなどを広く活用しています。しかし、レガシーテクノロジーや企業文化などが、テクノロジー導入の障害になっているという指摘もあります。部門間の連携強化や組織の縦割り構造の改善が、ビジネス成長には不可欠です。
テクノロジー導入への関与拡大
明るい材料としては、テクノロジー導入の意思決定に関与する人の割合が増えている点が挙げられます。特にエグゼクティブリーダーの関与が目立っており、IT部門が企業全体のエコシステムに統合されつつあることを示唆しています。
真の競争力を獲得するために
HBRのアンジェリア・ヘーリン氏は、「企業はテクノロジーを活用して新しいプロセスやビジネスモデルを構築し、イノベーションを企業文化の一部と位置付ける必要がある」と述べています。テクノロジーの採用だけでは不十分であり、真のビジネス価値を実現するには、柔軟性と革新的な企業文化が重要です。
業界・地域間の格差
調査では、業界や地域によってテクノロジー導入へのアプローチに違いがあることも明らかになりました。金融サービス業は規制やデータ管理の厳しさから、後発組の傾向が強い一方、エネルギーや公益事業では、先行優位性を獲得するために積極的な導入が進められています。
各業界におけるテクノロジー導入のメリット
様々な業界で、テクノロジー導入は顧客対応の向上や社内コラボレーションの改善といった大きなメリットをもたらしています。しかし、製造業などでは、業界再編の影響や慎重な姿勢から、導入は比較的進んでいません。
成長市場と先進国市場の違い
南米、中東、アフリカなどの成長市場では、「先駆者」が多い一方、アジア、ヨーロッパ、北米などの先進国では、レガシーテクノロジーとの共存という課題があります。それでも先進国でも、テクノロジー導入によって製品開発が大きく改善されたと回答する企業も少なくありません。
ベライゾンの取り組み
ベライゾンは、安全なモビリティ、クラウド、戦略的ネットワーキングなど、多様なグローバルサービスを提供することで、世界中の企業のイノベーションとビジネス変革を支援しています。
会社情報
- 会社名
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ベライゾンジャパン合同会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1-11-1パシフィックセンチュリープレイス丸の内 18F
- 電話番号
-
03-5293-9000