人事評価の実情に迫る
フォー・ノーツ株式会社が実施した「人事評価の実態調査2024(管理職編)」では、日本の管理職501名を対象に部下の人事評価についての意見を聞きました。この調査からは、人事評価制度が見かけ上は整っているにもかかわらず、実際には多くの課題が隠れていることが浮き彫りになっています。
概要
指定調査は2024年8月6日から8日の間に行われ、役職別に役員、部長、課長からなる管理職が参画。企業の規模は様々で、従業員数100名以下から2,000名以上まで多岐にわたりました。
評価基準の明確さと実情
調査では、「評価基準が明確である」と答えた管理職は7割以上ですが、実際に公正に評価できていると感じている人はわずか4割。これは、理論上は整備された評価基準が、実際には管理職の理解や実情において乖離があることを示しています。特に、評価基準について正しい情報共有ができていない可能性が高く、組織内で評価制度についての理解が不十分だと考えられます。
また、評価を行う際に「自分自身の基準」を持ち込む管理職も多く見受けられ、これが全社的な基準の運用を妨げていることも問題です。理想的な評価は、全社員が共通理解を持ち、一貫した基準のもとで行われるべきです。
退職原因と人事評価
さらに目を引くのは、部下の退職につながったと考えている管理職が約4割に上ること。理由としては、「評価基準の不明確さ」や「評価プロセスの不透明さ」が挙げられています。これにより、公正な評価ができず、社員の士気や信頼感が損なわれるケースが目立ちます。結果的に、優秀な人材が企業を離れてしまう危険性も秘めています。
課題の明確化とその解決策
これらの結果から評価制度は単なる評価の手段に留まらず、社員の定着率や組織の持続可能性においても重要な要素であることが示されています。公正な評価制度を設けることで、社員のモチベーション向上に寄与し、離職防止につながります。
また、評価基準の明確化だけでなく、その運用方法においても改善が求められます。管理職が評価の「やりづらさ」を感じないような環境を整えるべきです。これには、研修や教育機会を設け、管理職が自信を持って評価を行えるようにサポートすることが不可欠です。
まとめ
フォー・ノーツ株式会社は、人事評価が社員の成長を促進し、組織の発展に寄与するものであると考えています。今後も評価制度の見直しや管理職への支援を通じて、持続可能な組織運営の実現に向けて貢献していく所存です。公正で透明性のある評価制度の導入は、企業の信頼性を高め、ひいては全体のパフォーマンス向上につながると強く信じています。