ドローンで実現する未来の農業
千葉県に拠点を置く一般社団法人国際ドローン協会(IDA)が、2025年7月に驚異的な挑戦を成し遂げました。なんと、わずか4機の農業用ドローンを駆使して、約2,000ヘクタールに及ぶ水稲農地への大規模な集団防除作業を完遂したのです。このプロジェクトは、長年にわたり提唱されてきた「超精密散布」技術と、専用支援車両「アグリカルチャードローンポーター」の導入によって成り立っています。
病害虫防除の重要性
農業界において、病害虫の早期発生抑制は収穫量や品質を左右する生命線です。このプロジェクトでは、ドローンを使用した航空測量で正確に農地を2Dマッピング。さらに、デジタルツイン技術を駆使して農地をデジタル管理することで、散布ミスや薬害を防ぎながら迅速なデータ共有が可能となりました。この取り組みにより、農家の労力を軽減し、コストの削減にも寄与しています。
効率的な作業を支えるアグリカルチャードローンポーター
今回の大規模作業を支えたのが、IDAと新明工業が共同開発した「アグリカルチャードローンポーター」です。この特別設計の車両は、ドローンの格納やメンテナンス、農薬の積載・補給、さらにはバッテリーの即時充電といった多くの機能を備えています。これにより、「移動するドローン作業基地」として広範囲での連続作業を実現し、少人数での散布が可能になりました。
デジタルツインで農業の未来を見える化
ドローンを使用して得たデータはすべてクラウド上に蓄積され、どこでどれだけの農薬が散布されたのかを即座に把握できます。この「見える農業」によって、過去のデータを基にした営農判断がより確実性を増し、農業が直面する多くの課題に対応することが可能になります。
新たな研究開発拠点、ドローンポーター研究所
さらに、IDAと新明工業は「東庄町ドローンパーク」に新たに「ドローンポーター研究所」を設立しました。この研究所は、農業分野だけでなく災害対策や物流、設備点検など、さまざまなドローン業務に対応する実用型支援車両の開発拠点として機能します。実証飛行を即座に行い、現場からのフィードバックを元にリアルタイムでの改善を図る体制を整えています。
持続可能な農業の未来へ
現在、高齢化や就労人口の減少といった農業界の厳しい課題に直面しています。そこで、ドローンと支援車両の融合は、現場の負担を軽減しつつ質の高い農業を実現するための大きな手段となっています。今回の成功事例は、全国に展開できる持続可能な農業モデルとしての可能性を秘めています。
IDAと新明工業は、今後もテクノロジーを活用し、農業の生産性、安全性、持続性を支え続けることを目指しています。私たちの取り組みが、農業の未来を明るくする一助となることを信じています。
【一般社団法人国際ドローン協会について】
国際ドローン協会は、空撮や薬剤散布をはじめ、様々なドローン業務を展開しています。全ての人々の生活を豊かにすることを目指し、ドローンを通じたさまざまなサービスを提供しており、地域の発展に貢献しています。