綾町とイオン環境財団の新しい連携
宮崎県の綾町は近日中に、公益財団法人イオン環境財団との間で、里山の新しい価値を創造するための包括連携協定を締結しました。この協定は、地域の伝統文化、環境教育、生物多様性の保全を目指すもので、地域社会に与える影響は大きいでしょう。
綾町は、日本最大規模の照葉樹林が広がる地域であり、2012年にはユネスコエコパークに登録されました。これに伴い、イオン環境財団は2013年から、綾中学校建設のために伐採された杉の跡地を本来の里山に戻すために植樹活動を開始しました。この活動は3年間続き、彼らは2017年から累計で2万本の植樹を行いました。
これまでの植樹活動から10年が経過し、成長した木々は地元の学生や住民にとって環境教育や伝統文化を学ぶ貴重なフィールドとなっています。具体的には、生物多様性の保全、炭素蓄積の調査、木々の枝打ち、草木染めなどの環境活動が実施されています。
イオン環境財団は、綾町との連携を通じて「綾町イオンの森」というエリアを中心に、生物多様性保全に向けた取り組みを続けています。2024年には、この「綾町イオンの森」および割付地区の日向夏畑が環境省によって自然共生サイトとして登録される予定です。このエリアは綾ユネスコエコパークの移行地域でもあり、今後持続可能な地域社会を構築するための重要な拠点となることが期待されています。
今回の協定には、生物多様性の保全と持続的な利用を志向した里山づくりの推進、地域の伝統文化の継承と新たな文化創造を含む環境教育の実施、「綾町イオンの森」を中心とする自然共生サイトの拡大の方針が盛り込まれています。
この協定の期間は2024年11月23日から2029年11月22日までの5年間に設定されており、地域の環境保全と文化の発展に寄与することを目的としています。綾町とイオン環境財団の連携により、より豊かで持続可能な未来が期待されます。
この新たな試みは、地域の人々にとっても、大自然と共生しながら伝統や文化、環境に取り組む意識を高める良い機会となるでしょう。これからの綾町の変化に、目が離せません。