Kura Careがアストラゼネカとともに医療の未来を目指す
2025年2月24日、米国のAIヘルスケアスタートアップKura Careがアストラゼネカのオープンイノベーションネットワーク「i2.JP」への参画を発表しました。Kura Careは、カリフォルニア州サンディエゴに本社を置き、臨床研究と実世界データに基づいた革新的な予防医療・疾病管理プラットフォームを開発しています。
Kura Careの取り組み
Kura Careは、特に重症患者の再発リスクを低減し、未病や予防段階にある方々の健康維持をサポートすることで、医療費の削減と患者の生活の質(QOL)向上を目的としています。このようなアプローチは、急速に進化するAI技術の恩恵を受けることで、より具体的かつ効果的な医療サービスの提供が可能となります。
「i2.JP」は、2020年に設立されて以来、500社以上のスタートアップ、医療従事者、自治体、研究機関、民間企業が参画しています。主な目的は「患者中心」の医療を実現するための協創を通じ、ヘルスケア分野の課題解決に取り組むことです。
Kura Careの参加により、最新技術や知見を国内外のパートナーと共有し、予防医療分野におけるAIプラットフォーム事業の加速を図ります。
Kura Careのサービスと実績
Kura Careは以下のようなユニークなサービスを展開し、既に多くの評価を受けています。
1. 遠隔ケアソリューション【PEL】
このサービスは医療機器やデバイス、ソフトウェアとシームレスに統合可能なソフトウェアプラグインとして開発されました。利用者及び介護者への導入負担を最小限にし、高い利用率を実現しています。患者の健康データをリアルタイムで分析し、ケアチームの業務負担を軽減することに成功しました。
詳細:
Kura Care PEL
2. AIプラットフォーム事業【MOTUS】
このプラットフォームでは、医療データの分析や予測モデルを用いたアルゴリズムを開発。患者の行動変容を促し、治療計画の遵守率向上と疾病進行の予防を実現しています。
詳細:
Kura Care MOTUS
3. 受賞歴
Kura Careは2021年に「AWA 2021」ライフサイエンス賞を受賞しました。心臓病患者向けの革新的な遠隔医療サービスが評価され、日本市場への進出により新たな協業機会を生み出しました。
4. UC San Diego Healthとの共同研究
カリフォルニア大学サンディエゴ校との15ヶ月間の追跡研究では、慢性心不全患者のモニタリングが行われ、従来の治療法と比べて治療効果が76%向上する結果が得られました。この成果は米国心臓協会に収録されています。
今後の展望
Kura Careは、i2.JPを通じて日本の医療機関や自治体との連携を深め、先進的な遠隔医療モデルの普及を推進します。製薬企業との協業を拡大し、慢性疾患に対するデジタルソリューションを提供することで、より多くの患者に価値を提供していく考えです。
また、日本の厳格な規制に対応しながら、アジアと米国で培ったAI医療技術の基盤をもとにグローバル展開を進める意向を示しています。
会社情報
- - 社名: Kura Care Inc. (kura Care株式会社)
- - 代表者: 楊 凱傑 (CEO)
- - 設立: 2018年
- - URL: Kura Care公式サイト
Kura Careの取り組みは、今後の医療の在り方に大きく影響を及ぼす可能性を秘めており、特に高齢化社会における課題解決に寄与することで、さらなる成長が期待されます。