日本の医療現場におけるFMV導入の現状
最近、株式会社SmarTrialが開催したウェブセミナー『日本におけるFair Market Value(FMV)の導入に向けた課題と展望』にて、FMV導入に関する事前アンケート調査の結果が公表されました。この調査では、製薬企業や臨床試験を行う機関(CRO)、さらに医療機関を対象に、FMVがどう導入されているのか、その課題は何かが探られました。
調査の概要
事前アンケートは依頼者向けに88件、医療機関向けに44件が実施され、オンライン環境で回答が収集されました。特に、FMVに基づく費用算定の導入状況と課題認識に焦点が当てられています。
依頼者の視点からの調査結果
依頼者に向けた調査では、FMV導入に対する興味が高まっており、導入済みの企業は25%でした。また、約41%は導入を検討中で、依頼者全体の約65%がFMV導入に対して前向きであることが分かりました。しかし、課題も浮き彫りになっています。特に56.8%が「社内手順が未整備」と回答しており、これが導入の妨げとなっていることが明らかになりました。また、施設からの反発を懸念する依頼者も43.2%に達しており、社内での準備と共に医療機関の協力が不可欠だと言えるでしょう。
医療機関の立場からの調査結果
一方、医療機関向けの結果では、77.3%の施設が依頼者からFMV導入について問い合わせを受けていますが、実際に導入している施設は20.5%にとどまります。しかし、半数近く(54.5%)が導入を検討中で、未来の導入拡大に期待が持てる状況です。課題としては、52.3%が「依頼者から提示された価格の妥当性に不安がある」と答えており、その理解を深めるための取り組みが求められています。さらに、45.5%は費用算定に伴う業務工数の増加を懸念しており、効率的な運用設計が重要視されています。
SmarTrialの展望
代表取締役の長谷部靖明氏は、「調査結果から、FMV導入への関心が高まりつつある一方、依頼者と医療機関それぞれが異なる課題を抱えていることが確認できました。施設側への理解促進と、業務の効率化を進めることがFMV導入の普及に寄与すると信じています。今後は、依頼者そして医療機関の双方に対して理解促進を図りつつ、FMVに対応する機能の拡充にも努めていきます。」と今後の展望を語りました。
SmarTrialについて
SmarTrialは、臨床試験のプロジェクト管理に特化したクラウドサービスを提供しています。医療機関と依頼者で被験者の予定や業務を共有管理することで、業務効率の向上を実現し、質の高い医療サービスの提供に寄与します。詳細は
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