モルテンの高減衰積層ゴム支承 MHR1500が国土交通大臣認定を取得
株式会社モルテンは、免震建築用の高減衰積層ゴム支承 MHR1500を開発し、国土交通省から指定建築材料としての大臣認定を取得した旨を発表しました。これは、地震への耐性を求められる建物にとって、重要な意味を持つ認定です。
MHR1500の特徴と開発の背景
MHR1500は、東京都市大学の西村功名誉教授と共同で開発され、一般社団法人日本免震構造協会から安全性や耐久性、そして品質管理面についても高い評価を受けました。2025年2月7日には、国土交通省より正式に認定書が発行されます。
この支承は、ゴムと鋼板を交互に積層した構造を採用しており、上下方向の支持機能を持ちながら、水平方向の地震エネルギーをしっかり吸収します。特に中低層の建物に適しており、高い免震性能と優れた品質を兼ね備えています。
従来の免震部品は一品一品生産される、いわゆる少量多品種のスタイルが主流でした。そのため、耐震偽装問題が発生する要因ともなっていました。しかし、MHR1500ではサイズや形状を一律に固定し、個数を調整することで量産体制を確立。これにより、品質の均一化と効率的な管理が実現されています。
大臣認定に向けた技術的成果
モルテンは、MHR1500の認定に向けて以下のような数多くの機能試験を実施しました。
- - 基本性能確認試験
- - 限界変形確認試験
- - 圧縮限界強度確認試験
- - 鉛直剛性確認試験
- - 引張限界強度確認試験
- - 温度依存性確認試験
- - ひずみ依存性確認試験
- - クリープひずみ確認試験
- - 振動数依存性確認試験
これらの厳しい試験を通じて、MHR1500の高い性能が証明されています。また、独自に開発した高減衰材料と改ざん防止システムが導入されており、信頼性と品質管理の向上が図られています。
モルテンのマリン・産業用品事業
さらに、株式会社モルテンは、マリンと産業分野においても多様な製品を展開しています。水に関わる製品や、耐震を目的とする橋梁用ゴム支承など、社会基盤を支える要素を製造・販売しています。また、自然との共存を意識した製品開発を進め、100年先まで誇れるマーケットを目指しています。
モルテンの会社概要
モルテンは、1958年に設立された企業で、広島県広島市に本社を置き、競技用ボールや自動車部品の製造・販売を行っています。時代に応じた革新的な技術を取り入れ、医療・福祉機器事業などでも社会に貢献しています。現在、従業員数は673人(単体)で、グループ全体では約3,100人が活躍しています。意欲的な企業活動を通じて、未来に向けた挑戦を続けているモルテンの動きに今後も注目です。