スギノの新技術
2024-12-16 14:34:19

新たなファイバーレーザー溶接ロボットシステム登場!自動化革命の幕開け・スギノマシンの挑戦

新センシング技術を搭載したファイバーレーザー溶接ロボットシステム



株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、最新のセンシング技術を駆使し、段取りが不要なファイバーレーザー溶接ロボットシステムを開発しました。本システムの1号機が株式会社フジムラ製作所(埼玉県川口市)に納入され、早速、運用が開始されています。さらなる展開として、2025年1月22日から24日まで東京ビッグサイトで行われる展示会「第9回ロボデックス」にて、この新技術を背景にした加工サンプルの展示が予定されています。

開発の背景と目的



現在の溶接板金業界では、ブランク加工や曲げ加工の自動化が進展しているにも関わらず、中小企業の溶接工程では自動化が遅れをとっています。その理由には、労働力不足、人材の高齢化、そして自動化の難しさなどがあります。特に、少量多品種生産が主流のため、専用機の投入による利点を見出すのが困難で、また、工程が多岐にわたり、複雑な形状を扱うため自動化の進行が一層難しくなっています。

高齢化が進み、新たな労働力を確保することが難しくなる中で、スギノマシンはこのギャップを埋めるために、独自のロボット制御とセンシング技術を用いた新しいファイバーレーザー溶接ロボットシステムを開発しました。これにより、人のスキルに依存せず、安定した作業性能と品質を確保できることを意図しています。

システムの詳細と特徴



本システムは、主に自社製のロボットCRb(シーアールビー)とその制御/操作ユニット、ファイバーレーザー溶接機器、そして溶接用定盤で構成されています。特筆すべきは、ロボットの手先に新たに搭載されたセンシングデバイスです。このデバイスは、リアルタイムで溶接経路を自動補正する「アクティブトラッキング」を支えています。また、ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」を利用することで、非常に少ない操作で溶接が可能となりました。

1. ティーチングレスの実現


ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」を活用することで、CADデータ上でワークの溶接条件を指定し、オフラインで検証することができます。生成されたプログラムは装置に自動で転送されるため、運用開始までの手間が大幅に削減されます。

2. アクティブトラッキングによる新技術


新技術である「アクティブトラッキング」は、溶接経路を自動的に補正する機能を持ちます。従来は、使用されるワークごとに溶接位置のばらつきや、溶接中の変形によって逐次プログラムを修正する必要がありました。新システムでは、ワークのエッジを検出し、変形量に応じて溶接経路を自動修正するため、品質がより安定し、高精度の溶接が可能となります。

3. 幅広い可動域と直進性


CRbロボットは、1メートルを超える長尺ワークにも対応できるよう設計されています。優れた可動域と直進性は、非常に高い溶接精度を実現し、さまざまなサイズのワークに対する柔軟性を持っています。

生産性向上を目指したデジタル化



このシステムでは、稼働状況や溶接データを自社の可視化ツール「ViiNUS」で管理し、データを分析することで溶接品質の向上や生産性の向上に貢献します。採用されているモニタリング機能により、継続的な業務改善に向けた取り組みが可能になります。

結論



スギノマシンのファイバーレーザー溶接ロボットシステムは、デジタル技術を導入することで、現代の溶接板金業界が抱える人手不足と工程・品質の向上を目指して大きな一歩を踏み出しました。今後の展開に期待が高まります。これにより、スギノマシンは業界の革新をサポートし、他社が彼らの技術に追随することで、さらに盛り上がる市場を形成することでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社スギノマシン
住所
富山県滑川市栗山2880番地
電話番号
076-477-2555

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