8Fアセットマネジメントが陸上養殖プロジェクトの資金調達を完了
8Fアセットマネジメント(8F)は、養殖ファンド「8F Aquaculture Fund Japan I LP」を通じて、日本国内で進行中の陸上養殖プロジェクト「ソウルオブジャパン」への投資促進と、ピュアサーモングループの事業活動推進のため、約720億円(4億6,000万米ドル)の資金調達を成功させました。この取組は、持続可能な養殖システムの実現に向けた大きな一歩とされています。
資金調達の詳細
8Fが主導したこのプロジェクトでは、既存の投資家に加えて、新たに日本国内の投資家が増え、国際的な投資機関やファミリーオフィスからも寄与がありました。資金調達の大部分は三重県津市に位置する「ソウルオブジャパン」の養殖施設の建設及び運営に充当される予定です。さらに、三井住友銀行を中心とする日本の銀行団からは330億円の長期融資も実施され、プロジェクトはこれらの資金を活かして進行しています。
最先端の陸上養殖施設
「ソウルオブジャパン」といえば、日本における最新鋭の完全閉鎖循環陸上養殖システムを取り入れ、環境負荷を最小限に抑えた持続可能な食料供給を目指しています。この施設は約13.7ヘクタールの面積に構築され、2027年半ばの初出荷を予定しています。年間10,000トンのアトランティックサーモンの生産を目指しており、抗生物質やワクチンを使わないクリーンな養殖が行われます。
地域経済の活性化
このプロジェクトは、地域経済の活性化に貢献することも目指しており、三重県における食料自給率の向上や地産地消の推進につながるでしょう。8Fアセットマネジメントの創業者であるステファン・ファルーズは、「クリーンで健康的な養殖サーモンの供給が、国内の食品システムの持続可能性を向上させる」と自身の見解を示しています。
持続可能性へのコミットメント
本プロジェクトは、日本格付研究所(JCR)からサステナビリティ・ファイナンス評価で最高格付け「SU1(F)」を取得しています。これはプロジェクトが取り組む環境への配慮やサステナブルな養殖モデルが評価された結果です。
養殖システムには閉鎖循環式養殖(RAS)が採用されており、これにより廃棄物や環境負荷を低減し、持続可能な生産モデルの実現を目指しています。また、地元市場への供給を重視することで、カーボンフットプリントを削減する取り組みも行っています。
目指すべき未来
サーモン養殖という選択肢が持つ潜在能力は、食料供給において重要な役割を果たすでしょう。今回の資金調達は、それに向けた大きな前進を意味しています。今後、このプロジェクトがどのように成長し、日本国内外での持続可能な食品供給のモデルケースとなるのか、その動向に期待が寄せられます。特に環境問題への配慮が求められる中で、この取り組みが成功すれば、他の養殖プロジェクトにも良い影響を与えることが期待されます。
このような背景のある「ソウルオブジャパン」プロジェクトは、未来の持続可能な食文化の形成に向けて、大きな意義を持つことでしょう。