BtoB企業の稟議プロセスに潜む約6割の壁
現在の日本のBtoB企業における稟議プロセスは、多くの課題を抱えています。特に、最近行われた調査によると、約57.2%の回答者が直近の稟議で差し戻しを経験し、57.8%が過去1年間で稟議が通らなかったために導入を断念したと答えています。これらの結果は、BtoB営業における稟議の承認プロセスが非常に困難であることを示しています。
調査の背景
この調査は、株式会社ネオマーケティングによって実施され、BtoB商材の導入に関与する540名の企業人を対象に行われました。調査の結果、稟議書には平均4.35項目が記載され、根拠データとして2.91種類が準備されているにもかかわらず、このような高い拒否率を示しています。
稟議を通すための核心
稟議が承認される際に最も影響を与えるのは「明確な費用対効果」で、43.7%の人がこれを重視しています。しかし、実際にROI試算を用意している人はわずか19.3%にとどまり、認識と実際の行動の間に大きなギャップが存在しています。ROI試算が「非常に影響した」と答えた人は33.7%であり、ROI試算を準備することが業務効率化に直結することが明らかになっています。
営業資料の効果
提供された営業資料の役立ち具合についても調査され、全体の59.8%しか「役に立った」と回答していません。残りの40.2%は「もらったけど役立たなかった」とし、営業資料の中身に問題があることが示唆されています。特に見積書や競合比較表は比較的有効でしたが、デモ・トライアルなどは期待外れの結果に終わっています。
受注に向けた提案力の重要性
これらの調査結果から明らかになったことは、BtoB営業においては、単に商品そのものの魅力を伝えるだけでは不十分であるということです。顧客企業の社内稟議を通すためには、より工夫した資料設計や提案力が求められています。営業活動においては、プロセスの透明性を確保し、根拠となるデータを適切に準備することが必要不可欠です。
総括
BtoB営業における勝敗は「準備量」ではなく「準備の中身」で決まるという言葉がこの調査結果から浮かび上がります。営業活動の効果を高めるためには、自社の営業資料が顧客の社内稟議を通過するためにどのように設計されているかを見直すことが重要です。今後の営業・マーケティング活動において、この調査結果を参考にして、戦略を見直すことをお勧めします。