東京電機大学が開発した超省エネルギー電子タイルの実証実験
東京電機大学が新たに開発した『電子タイル』が、埼玉鳩山キャンパスのバス待合室での実証実験に進展しています。この技術は、電子ペーパーを利用しているため、環境に優しい省エネルギー型のディスプレイ設計が可能です。360度全方位で見ることができ、周囲の景観と調和しながら、驚きのある可変デザインを実現しています。
この実証実験は、理工学部情報システムデザイン学系の面谷信特任教授、矢口博之教授、大場久恵助教の共同研究のもとに進められています。400枚の試作電子タイルを使うことで、2メートル四方の大きな表示面を形成し、バス待合室の壁面に設置されています。このタイルはただの装飾品ではなく、デザインが動的に変化し、待合スペースを利用する人々に新たな体験を提供しています。
電子タイルは、反射型表示技術を使用しており、一般的なLEDや液晶ディスプレイと比べて格段に電力を消費しないのが特長です。その消費電力は、なんと500分の1程度であり、2メートルの表示面がわずか5ワットの電力で運用できます。これは本技術が持つ大きな魅力であり、今後の建築物の内外装において新たな可能性を生み出すことでしょう。
新たなデザインの可能性
電子タイルは、陶器タイルと同じように簡単に壁面に装着できる薄型軽量ユニットです。設置方法も柔軟で、タイルを配列することにより、大きな表示面や特定の形状を形成することができます。デザインが変わることで、建築物が生き生きとした印象を与え、従来のインテリアデザインに革新をもたらします。
特に、屋内外の壁面装飾としての活用が期待されており、他の用途としても多様な活用が見込まれています。この技術が普及することで、今後の建築デザインにおける常識が変わっていくかもしれません。
研究論文の情報
本研究については、電子タイルに関するさまざまな論文も発表されています。例えば、映像情報メディア学会の技術報告においては、以下のような題目が取り上げられています。
- - 論文名:「電子タイルによる屋外/屋内壁面装飾用表示」
- - 著者名:面谷信、矢口博之、楠房子
また、一般社団法人日本建築協会からの資料「建築と社会」でも、電子ペーパー技術を応用した可変壁面デザインが論じられています。
- - 論文名:「電子ペーパーによる可変壁面デザイン〜デジタル建材としての電子タイルへの期待」
- - 著者名:面谷信、矢口博之
今後も、埼玉鳩山キャンパスでの実証実験は続きますので、興味のある方は是非足を運んでみてください。
施設情報
東京電機大学埼玉鳩山キャンパスのバス待合室で、最先端の『電子タイル』を目にすることができる絶好の機会です。住所は〒350-0394 埼玉県比企郡鳩山町石坂です。