赤ちゃんの頭のかたちを考えるセミナーが開催される
2025年2月12日(水)に、慶應義塾大学病院小児頭蓋顔面(クラニオ)センターおよび小児科が主催する「赤ちゃんの頭のかたちセミナー」が開催されました。このセミナーは、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーと共同で行われ、医療従事者を対象にしたもので、赤ちゃんの頭の変形に関する最新の知見と治療法について紹介されました。
近年、赤ちゃんの頭のかたちへの関心が高まっており、特に、位置的斜頭症に対するヘルメット治療が広く知られるようになっています。一方で、頭蓋骨縫合早期癒合症などの病的な頭蓋変形との鑑別が不十分であり、不適切な治療につながる事例も報告されています。このような背景から、慶應義塾大学病院では2024年4月から「赤ちゃんの頭のかたち」に特化した専門外来を開設し、適切な診断と治療を提供することを目指しています。
当日は、医療従事者が集まり、講演やディスカッションが行われました。脳神経外科医、小児科医、形成外科医がそれぞれの視点から講義を行い、専門的な知識を深めていきました。特に、頭蓋骨縫合早期癒合症の鑑別や治療についての講演が多く、医療者間での共通理解を深める機会となりました。
セミナーの内容と講演者
開催概要
- - 日時:2025年2月12日(水)18:30-20:00
- - 形式:会場参加+WEB配信(ハイブリッド開催)
- - 参加人数:120名以上
- - 主催:慶應義塾大学病院小児頭蓋顔面センター、小児科
- - 共催:ジャパン・メディカル・カンパニー
プログラム
1.
座長:鳴海 覚志(小児科)
2.
頭蓋骨縫合早期癒合症の鑑別とその治療
- 講師:三輪 点(脳神経外科)
3.
赤ちゃんの頭の形の診療
- 講師:沼澤 佑子(小児科)
4.
ヘルメット治療の原理と効果
- 講師:梶田 大樹(形成外科)
5.
どのようにヘルメット治療が行われるか
- 講師:坂本 好昭(形成外科)
参加者の反応
セミナーは平日の夜に行われましたが、参加者数は120名を超える結果となり、関心の高さがうかがえました。参加者の皆さんは、赤ちゃんの頭のかたちに対する理解を深めるために真剣な姿勢で取り組んでおり、活発な質疑応答も行われました。特に、治療法の適正化や大切な診断基準の共有に関しては、多くの意見が出され、今後の診療体制強化に向けた重要な一歩とされました。
医療機関と赤ちゃんの未来
慶應義塾大学病院小児科教授の鳴海覚志先生は、「このセミナーは赤ちゃんの頭の形に対する適切な医療サービスの提供を通じて、家族全体の安心感を生むことを目指しています」とコメントしました。また、講演者たちもそれぞれの専門性を活かし、赤ちゃんの健やかな成長を支えるための取り組みを再確認しました。
ヘルメット治療の普及に対しては、有識者たちが連携し、信頼できる情報の拡散に努めています。ジャパン・メディカル・カンパニーも協力体制を強化し、今後も赤ちゃんたちに安心して受けられる医療環境の構築に貢献していく考えです。これからも、赤ちゃんの頭のかたちに関する正確な認識と治療が進むことが期待されます。