沖縄の白血病治療を革新するLiquid Mineへの出資決定
株式会社うむさんラボが運営するカリーファンドが、株式会社Liquid Mineに出資を行った。この出資は、難治性白血病治療に向けて期待される遺伝子解析技術の支援を目的としている。
白血病とは何か、なぜ治療が難しいのか
白血病は、遺伝子の異常や突然変異によって引き起こされる血液のがんであり、その診断は非常に難しい。多くのタイプに分類されるが、その中には5年生存率が10%台にとどまるものも存在し、深刻な病気である。また、沖縄県は全国的に白血病の罹患者数や死亡者数が高い地域であることから、治療法の改善が求められている。
白血病の治療には強力な放射線治療や薬物治療が用いられるが、これらは生殖機能や免疫機能に影響を与えることがあるため、患者のQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼす。一人一人の患者に対して最適な治療方針を決定するためには、病気の原因となる遺伝子変異を正確に把握することが必要である。
現行の検査法でも遺伝子変異を調べることはできるが、診断が難しい例や標準的な治療法が効果を示さない場合には、原因となる変異を特定できないこともある。
Liquid Mineの技術による解決策
ここで注目されるのがLiquid Mineの全ゲノム解析技術である。同社は、患者の遺伝情報を解析し、既知の遺伝子変異だけでなく未知の変異も特定することができる。この技術により、疾患に関与する可能性がある変異を徹底的に探索できるのだ。
さらに、Liquid Mineは患者ごとの特異な遺伝子変異に基づき、がん細胞の動態を追跡する専用の検査薬を生成できる。これにより、最適な治療法を選択し、効果の乏しい治療や不必要な副作用を回避することが期待されている。また、従来の遺伝子検査は骨髄液の採取を要するため、患者に大きな負担がかかるが、Liquid Mineの技術では血液検査で実施できるため、患者への負担が軽減される。
出資の意義と展望
今回の出資によって、カリーファンドは、Liquid Mineの技術が白血病の治療精度を高め、患者の生存率や生活の質の向上につながることを期待している。現在、沖縄県内では同社の技術は導入されていないが、将来的には地域の医療機関との連携を強化し、最先端の検査を提供できる環境を整えたいと考えている。
カリーファンドはまた、出資を通じてLiquid Mineのビジョン実現をサポートしていく。これにより、沖縄の白血病患者がより良い治療を受けられるようになることが望まれている。
企業概要
- - Liquid Mine:株式会社Liquid Mine、代表取締役岸本倫和、所在地:東京都渋谷区道玄坂。設立:2019年11月7日。
- - カリーファンド:カリーインパクト&イノベーション1号投資事業有限責任組合、設立:2023年5月10日、無限責任組合員は株式会社うむさんラボ、所在地:沖縄県浦添市。
- - うむさんラボ:代表取締役比屋根隆、所在地:沖縄県浦添市、創業:2019年1月1日。