TOPPANが樹脂サッシ向けに高耐候性塩ビ化粧シートを開発
TOPPANは、樹脂サッシの需要が高まる中、同サッシ向けに高耐候性の塩ビ製化粧シートを新たに開発しました。この製品は、樹脂サッシのリサイクル性を向上させるために、サッシと同じ塩ビ素材を使用しているのが特長です。屋外に適した高耐候性能を備えるこのシートは、長期間にわたり使用できることが期待されています。
開発の背景
近年、環境に優しい省エネルギー住宅として注目されているネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の影響で、高断熱性を持つ樹脂サッシの普及が見込まれています。実際、日本サッシ協会の調査によると、住宅の窓に使われる樹脂サッシの数は年々増加しています。また、2024年1月には「樹脂窓リサイクルビジョン」が策定され、今後は使用済み樹脂サッシや工場から出る端材のリサイクルが本格的に進む見込みです。こうした状況の中で、サッシの表面化粧シートもリサイクル性を考慮する必要があります。
TOPPANは、持続可能な社会の実現に向けた「SX(Sustainable Transformation)」と「DX(Digital Transformation)」を進めており、その一環として住宅資材のリサイクル性向上に寄与する製品の開発を行っています。今回の高耐候性化粧シートも、その一部となるものです。
本製品の特長
1. リサイクル性向上
今回開発されたシートは、樹脂サッシと同様に塩ビ素材で作られているため、リサイクルの際に不純物の混入を最小限に抑えることができます。これにより、よりスムーズなリサイクルが期待されます。
2. 高耐候性能
本シートは耐候性能を強化する処方が施されており、従来品と比べて耐候性の向上が確認されています。具体的には、サンシャインウェザーメーター(SWOM)試験により、10,000時間の試験でも顕著な劣化が見られなかったとのことです。
3. 遮熱性能
また、この化粧シートは遮熱性能の追加も視野に入れています。独自の技術により赤外線の反射率を高め、濃色のシートでも熱の吸収を抑制する効果があることが実証されています。遮熱性能を持ったサンプルは2025年3月に提供開始予定です。
4. 高意匠性
デザイン面でも優れており、印刷柄に応じたグロスマットコートを施すことで、立体感のある意匠性を持つ表現が可能です。
詳細は
こちらからご覧いただけます。
今後の展望
TOPPANは、この高耐候性化粧シートを日本国内外のサッシメーカーに広め、2027年度には10億円の売上を目指しています。環境負荷の軽減とともに、リサイクル可能な製品の提供を通じて持続可能な社会の実現に向けて貢献していく方針です。
このような取り組みは、環境意識の高まりとともに企業が持つべき姿勢として、多くの注目を集めることでしょう。