EV充電サービスと機械式駐車場の革新
テラチャージ株式会社は、新たな取り組みとして、IHI扶桑エンジニアリングと提携し、機械式駐車装置での電気自動車(EV)向け充電サービスの提供を開始しました。この取り組みは、EVの普及促進と持続可能な社会の実現を目指しています。
EV充電環境の現状
現在、EV購入を検討している人々の約8割が「自宅に充電環境がないと不便」だと感じています。この背景には、2050年のカーボンニュートラル実現に向けての急速なEVの普及と、充電インフラの整備が必要とされていることがあります。経済産業省は、2030年までにEV充電器の設置目標を30万口とし、特に集合住宅での充電環境の整備が求められています。
日産自動車が行った調査では、75.5%の人が自宅にEV充電可能な駐車場がないと回答しており、充電環境の不足がEV購入のハードルとなっています。この世の中で、機械式駐車場にEV充電器を設置するという提案は、魅力的でありつつも難題でもありました。
機械式駐車場へのEV充電の課題
機械式駐車場は、限られたスペースを効率的に活用できるため、多くの集合住宅で利用されていますが、従来のEV充電器の設置にはいくつか課題が存在しました。具体的には、充電ケーブルの取り扱いや車両の充電口の寸法を考慮しなければならず、これが導入を難しくしていました。充電ケーブルがはみ出してパレット昇降の際にトラブルが発生するリスクもあります。
連携による新たな解決策
IHI扶桑エンジニアリングは、年間10,000パレット以上を納入する実績を持つ企業で、EV充電サービスも手掛けています。今回の連携では、幅1950mm以上の広いパレットを採用し、地上にEV充電器を設置することで、これらの課題を軽減します。この新しい方式により、多様な車両に対応できる柔軟性を持たせることが可能となります。
特に新築の集合住宅において、IHI扶桑エンジニアリングの機械式駐車装置とEV充電器の同時設置が実現すれば、さらなる充電インフラの充実を促進することが期待されます。
企業のコメント
安藤雅範社長(IHI扶桑エンジニアリング)は、「この取り組みが都市部の限られたスペースを有効活用し、EVユーザーに新たな利便性を提供できることを願っています」と述べています。
徳重徹社長(テラチャージ)は、「この連携により、集合住宅へのEV充電導入が加速し、より多くの人々がEVを選ぶきっかけになることを期待しています」と語りました。
EV充電テラチャージとは
「Terra Charge」は、スマートフォンアプリから利用できるEV充電サービスで、利用登録は無料で簡単に行えます。充電スポットの検索から充電料金の決済まで、すべてが手軽にできる環境を提供しています。24時間体制のコールセンターも完備されており、EVユーザーに安心のサポートを行っています。
この新たな取り組みを通じて、テラチャージとIHI扶桑エンジニアリングは、今後のEV普及と持続可能な社会の実現に向けて、一層の責任を果たしていくことでしょう。EV充電インフラの整備は、私たちの未来に向けた大きな一歩です。