ロールス・ロイスが展示する中国壁画アートへのオマージュ

ロールス・ロイスが魅せる中国の壁画芸術

2025年7月24日、ウエスト・サセックス州グッドウッドにて、ロールス・ロイスが中国の壁画をテーマにした新たなビスポークカーのコレクションを公開しました。この特別なコレクションは、敦煌の洞窟で描かれた歴史的壁画にインスパイアされたもので、古代の遺産と現代のラグジュアリーを結ぶ架け橋となっています。

3つのモデル

ロールス・ロイスは、ファントム・エクステンデッド、ブラック・バッジ・カリナン、ブラック・バッジ・スペクターの3モデルを発表しました。これらはすべて、同社の上海プライベートオフィスを通じてオーダー可能。各車両は、地域の文化や風景に基づいた独自の外装カラーが施されています。

特にファントム・エクステンデッドは、その手描きのギャラリー・アートワークが注目されています。この作品は、1,000年以上前の敦煌の美術に根差し、それを現代に再解釈したものです。シュアイ・フェンがデザイナーとして関わり、壁画の持つ色彩や形状の象徴性を基にしたビスポークデザインを加工しました。

ファントム・エクステンデッドの魅力

ファントム・エクステンデッドには、ニンイェ・パープルの壁と、英語のホワイトで仕上げられた対照的なデザインが施されています。このモデルのCピラーには、シルケン・スピリットのモチーフが手描きで描かれています。車内では、1344個の光ファイバーによる星空演出が施されており、極めて情緒豊かな空間が広がります。

なお、手描きギャラリー・アートワークは、風景画に仕上げられており、仏教のアプサラス（天女）を連想させる夢幻的な要素も取り入れられています。こうしたこだわりは、ロールス・ロイスの哲学を体現します。

ブラック・バッジ・カリナン

ブラック・バッジ・カリナンは、ダンチアン・ピンクのボディカラーが目を引きます。このピンクは、雲の動きからインスピレーションを受けたデザインが施されており、リアシートのデザインにもその美しさが活かされています。また、スターライト・ヘッドライナーにより、夜空を彷彿とさせる幻想的な雰囲気を醸し出します。

ブラック・バッジ・スペクター

ブラック・バッジ・スペクターは青山ブルーとダイヤモンド・ブラックのエアロ・ツートーンで仕上げられ、敦煌の壁画に描かれた山々の青と、草木の緑が表現されています。このモデルは特にそのドラスティックなデザインが特徴で、イルミネーテッド・グリルが迫力を感じさせます。さらに、1,344個の星と192個の流れ星が手作業で配置されたヘッドライナーは、優雅な輝きをもたらし、乗る人々を夢の世界へ誘います。

過去と未来の対話

ロールス・ロイスが発表したこれらのビスポークカーは、過去の文化遺産と現代のラグジュアリーの融合を実現しています。多様な文化や時代を横断するこの試みは、他の文化的物語に対する新たな探求心を生じさせ、デザインとクラフトマンシップを通じて物語を紡いでいます。これは単なる自動車ではなく、アートの代名詞とでも言うべき存在感です。

このコレクションは、ロールス・ロイスがいかにして芸術的な影響を受けつつ、現代的な解釈を加えているのかを物語っています。また、未来のビスポークコミッションがどのように他の文化にインスパイアされるか、その可能性を示唆しています。

まとめ

ロールス・ロイスの新しいビスポークカーは、単なる車両を超えた芸術品です。中国の壁画芸術に対する賛辞は、ラグジュアリー自動車としての地位を確立するものであり、今後の文化的対話の一端を担うことが期待されます。未来に向けて、ロールス・ロイスのビスポークデザインはますます多様で魅力的なものになることでしょう。