新たなウイスキー樽用バンド材の誕生
日本金属株式会社(本社:東京都港区)は、株式会社ウィズワン(本社:大阪府大阪市中央区)と共同で、ウイスキー貯蔵用樽に使用されるバンド材の製造・販売を開始することを発表しました。この新しいバンド材は、ウイスキー業界にとっての重要な一歩であり、品質と耐久性を兼ね備えた商品の登場といえるでしょう。
バンド材開発の背景
ウィズワン社は2023年に兵庫県養父市に新しく養父蒸溜所を設立し、ウイスキーの製造を開始しました。これに伴い、リメイク用の樽を自社で制作する計画を立てました。しかし、樽本体はすべて輸入品に依存しており、リメイクに必要なバンド材は国内調達を希望しました。しかし、樽の形状に合わせたリング状の加工には高い技術が求められ、多くの国内メーカーは対応が難しい状況でした。
日本金属の技術力
その中で、日本金属は福島工場の熟練した技術者たちが培ったロールフォーミング技術と異形圧延加工技術を駆使し、バンド材の製造に取り組みました。福島工場は、精密異形圧延やプレス加工を中心とした技術拠点で、お客様のニーズに柔軟に応えてきた実績があります。ロールフォーミングでは、徐々に薄板を成形し、最終形状に仕上げる一方、異形圧延では平坦な金属を連続的に目的の断面形状へ加工しています。
1年間にわたる試作と開発を経て、この難易度の高い加工が実現し、遂に量産に至りました。
バンド材の特長
新たに開発されたこのバンド材は、高耐食めっき鋼板を使用しており、ウイスキー樽の厳しい環境下での耐久性を高めています。また、樽の形状にぴったりとフィットするリング形状を実現しているのも大きなポイントです。量産が始まることで、ウィズワン社は2025年12月からこのバンド材を使用した樽のリメイクをスタートする計画です。
今後の展開
日本金属は、この先進的な素材をウィズワン社に提供することで、ウイスキー業界の発展に貢献し続けるつもりです。今回のバンド材製造にあたっては、次のような特長があります:
- - 材質: 高耐食めっき鋼板
- - サイズ: 2.0mmt×45mmw×約2,000mmL
ウィズワン社は、酒類の卸売や小売業、さらにはオリジナルのジャパニーズウイスキー製造に取り組んでいます。その中で、養父蒸溜所は理想的な熟成環境のもと、高品質なウイスキーの製造に励んでおり、2026年秋にはオリジナルブランドのウイスキーを発売予定です。
日本金属株式会社は、今後も「人と地球にやさしい新たな価値を共創する」というビジョンのもと、多様な素材を活用し、更なる技術革新を進めていく方針です。未来のウイスキー業界を支えるため、今後の展開に期待が高まります。
参考リンク
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