久留米が生んだ「第九」の歴史と市民が織りなす新たな舞台

年末の訪れと共に、日本中で響くベートーヴェンの交響曲第九番ですが、特に福岡県久留米市では「久留米第九2025」が12月28日（日）に開催されます。このイベントは、市民の奏でる「第九」として毎年多くの感動を呼び起こし、チケットはすぐに完売する人気公演となっています。

久留米第九の開催について

「久留米第九2025」の公演は、久留米シティプラザザ・グランドホールで15:00からスタートし、開場は14:00となっています。入場料金は1・2階席が3,000円、3・4階席が2,000円ですが、ウェブ割引を利用すれば更にお得。合唱団が紡いだ音楽が会場にどのように響き渡るのか、楽しみですね。

歴史を知る「久留米第九」

久留米市と第九には、運命的な結びつきがあります。実は、久留米で日本初の一般聴衆による「第九」が演奏されたのです。その瞬間は1919年12月3日に遡り、帰国を間近に控えたドイツ兵たちと日本人が共に久留米高等女学校で演奏したという歴史的なイベントでした。これが、日本人が第九に初めて触れた瞬間なのです。これ以来、久留米市は「音楽の町」としての歴史を刻み続けてきました。

市民の力で紡がれる音楽

「久留米第九を歌う会」は市民により運営され、初開催から100年にあたる2019年に設立されました。これにより、地域住民が一つの舞台を作り上げるという新たな試みがスタートしました。初回は九州交響楽団の協力を得て開催されましたが、コロナ禍での影響もあり、その後は市民が中心となって管弦楽団を結成。年々参加者が増え、2023年現在では約80名がオーケストラを構成し、合唱団は200名以上が参加する規模に成長しています。

参加者の多様性

参加するメンバーは初心者から経験豊富な演奏者まで多岐にわたります。親子や長世代が共に舞台に立つ姿も見られ、地域の絆や温かい雰囲気が漂っています。さらに、今年は中学生が部活の一環で参加するなど、若い世代へのバトンを繋ぐ取り組みも行われています。

未来を見据えた「第九」

久留米にとって「第九」は、単なる音楽作品ではありません。その背後には、異国の地で音楽を愛し続けた人々の歴史が息づいています。久留米市民がその歴史を忘れず、受け継いでいくことの重要性を再認識する場でもあります。

ぜひ、この特別なイベントを共に楽しみ、久留米市が紡いできた魅力的な歴史に触れてみてください。一音一音に思いを込めて奏でる市民の演奏を通じて、また新たな感動が生まれることでしょう。期待が高まります。