AIで生産計画最適化
2025-03-27 13:24:42

日立と住友化学がAIを活用した生産計画システムを実用化へ

日立と住友化学が手がけるAI技術による省エネ生産計画



株式会社日立製作所は、住友化学株式会社と協力し、AIを活用した自動生産計画の実証実験を千葉県袖ケ浦市の住友化学千葉工場で開始しました。この新しいシステムの名称は「TSPlanner(Team Synergy Planner)」であり、生産計画の最適化とエネルギー消費の効率化を同時に実現することを目的としています。

1. 生産計画システムの概要



「TSPlanner」は、日立が独自に開発した計画連携エンジンを基盤としたオープンなプラットフォームです。このシステムは、エネルギー消費量の低減を支援する機能と、生産計画を自動的に立案する機能を組み合わせており、複数の制約条件を考慮に入れて効率的な生産計画を作成します。

実際の運用においては、生産量の変動にも即座に対応し、エネルギー管理の観点からも全体を最適化することができます。たとえば、契約電力の上限を超えないような工場全体の生産計画を調整し、化学反応器で生成される高温廃熱を再利用して他のプロセスへと回すことが可能です。

2. 検証結果



千葉工場での予備検証の結果、エネルギー消費量を一定程度削減できる見込みを確認しました。今後は、住友化学が運営する全国6カ所の工場でも同様の提案を展開していく計画です。日立は、この新システムの導入を足がかりにして、持続可能な発展と環境負荷の軽減を図りながら、生産性の向上を図っていきます。

3. 脱炭素社会への貢献



地球温暖化が進行する中、企業はカーボンニュートラルの達成を迫られています。また、エネルギー価格の高騰もあり、効率的なエネルギー使用が求められています。日本国内では生産年齢人口の減少が深刻な問題となっており、工場労働者への負担を軽減することも重要な課題です。

住友化学は、規模の大きなエネルギー管理と複雑な生産計画の立案を行っているため、これを効率的に進めるためのシステムが必要でした。特に、生産計画部門とエネルギー管理部門がそれぞれ異なる意思決定のプロセスを持ち、全工場のエネルギー効率を考慮した計画が難しいという背景がありました。

4. 日立の技術とノウハウ



日立は、ITとOT(制御・運用技術)、プロダクトを組み合わせた強みを生かし、多くのクライアントとの協力を通じて得た豊富な知見を基に、さまざまな業界への革新的なソリューションを提供しています。特に、CO2排出量の削減や業務効率化を目的とした「Hitachi AI Technology」を含む数多くの商品を展開しています。

5. 結びに



日立の新システムが実施されることで、住友化学の千葉工場はさらなる生産性の向上と環境負荷の軽減を実現し、地域社会や広くは環境問題解決に向けて大きな一歩を踏み出すことが期待されます。デジタル化(DX)とグリーン化(GX)を推進する中で、この試みが示す未来に大いに期待が寄せられます。


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会社情報

会社名
株式会社 日立製作所
住所
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号

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