経営者が求める新入社員像
2011-05-12 16:58:55

新入社員に求める力は資格よりも生きる力、経営者の本音とは

新入社員に求められる「生きる力」



2011年に実施された株式会社リンクアンドモチベーションの調査によれば、経営者305名が新入社員に求める素質は、従来の「専門知識や資格」を抑え、むしろ「生きる力」が重要とされています。特に、コミュニケーション能力や主体性、課題解決力といった非専門的素質が上位に位置づけられています。

経営者が考える新入社員の素質



調査によると、経営者が新入社員に対して求める素質の1位は「コミュニケーション能力」で52.8%、2位は「主体性」で38.0%、3位は「課題解決力」で29.8%でした。この結果から、経営者が特に重視しているのは社会で必要とされる本質的なスキルであることが分かります。

一方で、入社後に学ぶことができる専門的知識、例えば会計やPCスキル、語学力については、ほとんど求められていないことが明らかになりました。これは、経営者が本質的な“生きる力”を身につけた人材を欲していることの表れです。

新入社員の質に関する経営者の意見



多くの経営者は、近年の新入社員の質に疑問を抱いています。具体的には、古い世代の新入社員と比較して、その能力が落ちているという声が多数挙がりました。特に、コミュニケーション能力や主体性が不足していると感じている経営者も多く、実務的なPCスキルが向上している一方で、その他の基礎能力が低下していることが浮き彫りになりました。

高校卒業までに必要な素質



経営者の多くは、高校卒業までに身に着けるべき能力として「コミュニケーション能力」(56.4%)、一般常識(48.2%)、論理的思考力(33.1%)を挙げています。これらは学校教育という枠を超えて、社会生活全般で必要とされる基盤であると考えられています。

現行の大学入試制度への疑問



調査の中では、経営者の83.9%が現在の大学入試制度ではビジネスで活躍できる人材が育てられないと感じています。特に、試験制度が学力偏重であり、実社会で必要となる能力を育成できていないという意見が多く、これが新入社員のレベル低下と相まって懸念されています。

結びに



現代の経営者が新入社員に求めるものは、単なる資格や専門知識ではなく、社会で生き抜くために必要な基礎的な「生きる力」であることが調査結果から言えます。このことは、今後の教育現場においても重要な意識改革を促す要因となるでしょう。企業と若者、特に高校生がどのように接点を持ち、育成していくかが、今後の社会にとって非常に重要なテーマです。

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会社名
株式会社リンクアンドモチベーション
住所
東京都中央区銀座3-7-3銀座オーミビル
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