「暖色の灯篭」が都市公園を魅力的にする理由
近年、都市開発におけるナイトタイム・エコノミーの重要性が注目されています。この概念は、消費の時間を分散させることでオーバーツーリズムを避け、猛暑を和らげるなど、持続可能な都市づくりに寄与すると期待されています。特に、職・住・遊の近接が可能なコンパクトシティは、移動を減らし、環境に優しい生活の実現を助けます。
とはいえ、ナイトタイム・エコノミーの施策が商業施設や公共交通の拡充に偏りがちな中、夜でも訪れたくなるような安全で快適な都市デザインが求められています。その中で、都市照明の役割は非常に重要です。
この研究では、特に「暖色の灯篭」が都市公園に与える影響について調査しました。実施したのは富岩運河環水公園で、白色、暖色、暖色の灯篭を用いたランダム化比較試験を行い、それぞれの照明の魅力について評価を測定しました。結果、白色の照明よりも暖色、そして暖色の灯篭がより高い評価を受けることが明らかになりました。
若年層の女性からの評価が抜群
特に注目すべきは、20〜44歳の若年女性からの評価が最も高かった点です。暖色の灯篭が持つ温かみや情緒、さらには安心感が、この世代に響いたのではないかと考えられます。ダイニングシーンや公園のリラックス空間の演出において、暖色の灯篭が効果的である可能性が示されています。
大規模な投資を伴う都市開発が進んでいる中で、照明のような比較的低コストで都市公園の魅力を引き上げる手法は、非常に重要な示唆となります。新たな建設コストの高騰を背景に、少ない資源を用いて最大の効果を上げるアプローチが求められています。
持続可能な都市開発の新たな潮流
今後は、持続可能な都市開発が進む中、夜間の公園利用促進のために、心地よいテクスチャの灯篭などを取り入れることが期待されています。また、ナイトタイム・エコノミーにおける光の使い方は、経済活動の新たな可能性を拓く重要な要素となるでしょう。
本研究成果は、日本電気株式会社(NEC)と明治大学商学部加藤拓巳准教授による共同研究として、国際的なシンポジウムでも発表されています。今後、研究成果を基にした更なる都市開発が進むことに期待が寄せられています。
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