ライフネット生命の「がんとお金」に関する調査
ライフネット生命保険株式会社は、認定NPO法人キャンサーネットジャパンの協力を得て、がん経験者を対象としたアンケート調査を実施しました。この調査は、がん患者の経済面に関する実態を把握することを目的とし、2017年、2020年に続くもので、718人のがん経験者を対象に行われました。
## 調査の目的と経緯
調査の背景には、がん患者の経済的な課題が浮き彫りになっているという現実があります。がんと診断された後、多くの人が収入の減少や医療費の増加などの困難に直面し、生活全般に深刻な影響を及ぼしています。今回の調査は、がんを自分のこととして捉え、より良い社会を作る一助となることを期待しています。
## 調査結果の概要
### 収入の変化
調査結果によれば、がんを罹患したことによって自身の収入が減少したと回答した人は53%。平均して20%の収入減少が見られ、その理由として「休職」や「業務量をセーブしたこと」が挙げられています。さらに、収入が減少した結果、生活が厳しいと感じた人は75%に達し、約半数が治療開始から半年以内にそのように感じるようになったと回答しています。
### 経済的な困難
調査では、75%の人が経済的に困難な状況にあると感じており、特に治療費や生活資金に関する不安が大きいという結果が出ています。がん治療後に生じる支出はさまざまで、入院時の日用雑貨、通院時の交通費、さらには外見ケアの費用など多岐にわたりました。これらの負担が重くのしかかっています。
### 公的制度と民間保険の利用状況
公的な制度の利用だけでは治療費が賄えないと回答した人は39%。多くのがん患者が民間の保険に加入していますが、20%の方は給付金を受け取れなかったという事実も確認されました。その理由として「通院治療への保障がなかった」という声が多く寄せられました。
### 就業状況の変化
調査によると、がん罹患によって離職を余儀なくされた方は全体の15%で、主な理由は「治療との両立が難しかったから」。また、診断前と同じ職場で働いている方も多く、中にはフルタイムの勤務に復帰するまでに数ヶ月かかるケースもあります。
## 結論
この調査から分かることは、がんを診断された際の経済面の悩みは、治療費だけでなく、生活のあらゆる側面に広がっているということです。通院に伴う交通費や治療による収入減少が大きな問題となっており、特に社会保険料の負担が重かったことが事実として残り、これに対するサポートが求められています。
これからもライフネット生命は、がんとお金をテーマにした情報提供やサービスの改善に取り組み、がん経験者の就労支援を社会全体で進めていく必要があると強く感じています。詳細は
こちらからご確認ください。