9月5日(木)、テレビ東京の経済番組「カンブリア宮殿」が900回目の放送を迎える。番組は、視聴者に親しみやすく、経済の現実に迫るユニークなスタイルで、これまで多くの企業トップと共に多彩なゲストを迎えてきた。
この特別番組では「ニッポンの小売りの未来…大逆襲が始まった!」をテーマに、変化する小売業界の現状を深く考察する。リーマンショックや新型コロナウイルスの影響を受けながらも、新たなステージへと移行した小売業。長引くデフレから脱却し、生き残りを懸けた競争が激化している中、小売業界の変革の鍵とは何かを分析する。
番組でインタビュアーを務めるのは、作家の村上龍と俳優の小池栄子。村上は番組について「900回目を迎えたという実感はあまりない。しかし、常に新鮮な視点でその時々の流行や経済の実態に寄り添ってきた」と振り返る。一方、小池は「芸能界で活動しながらも、経済や経営について学んできたことは自分にとっての財産」とし、今後も視聴者との距離感を大事にしながら番組を続けていく意志を示した。
記念すべき900回目の放送では、株式会社三越伊勢丹ホールディングスの社長である細谷敏幸氏がゲストに登場。三越伊勢丹はコロナ禍において業績を回復させ、富裕層および若者をターゲットに新たなビジネスモデルを構築した成功事例だ。「百貨店を科学する」という理念のもと、過去のビジネススタイルをいかに再設計したのか、細谷社長の考えに迫る。
続いて9月12日(木)の放送には、株式会社しまむらの社長、鈴木誠氏がゲストとして登場予定。しまむらは小売チェーンの中でも特に注目される存在であり、2024年の売上高が過去最高を更新する見込みを立てている。ただし、数年前には減収減益の苦境も経験しており、その復活の背景には鈴木社長の大胆な改革があった。
「カンブリア宮殿」は、毎週木曜の夜11時06分から放送され、全国でリアルタイム視聴が可能な配信サービスも提供されている。番組の魅力は、経済界を代表する多様な企業の経営状況を明らかにし、視聴者に新しいビジネスの視点を提供するところにある。これからも放送を楽しみにしながら、経済動向を追っていこう。
900回の放送を重ねる中で、番組制作陣は常に新しいゲストを迎えることができることに興奮を隠せない。「取り上げる価値のある企業が常に存在する」と語るチーフプロデューサー、鈴木亨知氏の言葉通り、「カンブリア宮殿」は視聴者にとって経済の真髄を学ぶ絶好の機会となるだろう。