多様な若者の理解と活用セミナーが岐阜市で開催
岐阜市では、企業が直面している若者の採用と育成の課題を解決するため、「多様な若者の理解・活用セミナー」が開催されました。近年の求人倍率の上昇や就職率の見直しが進む中、特に働きづらさを抱える若者の支援への関心が高まっています。このセミナーでは、働くことがどのように人々の幸せに寄与するかを考察し、企業にとって不可欠なテーマとなる「多様化する若者の理解」を深めることを目的としました。
セミナーの概要
このセミナーは岐阜市の委託を受けて実施され、約20人の企業経営者や人事担当者が参加しました。2025年1月30日、岐阜商工会議所の一室で行われ、以下のプログラムが設けられています。
- 『多様化する大学生の実態と理解』
- 岐阜大学 保健管理センター 准教授 堀田亮氏
- 『障がいのある若者が活躍できる職場づくり』
- トヨタ自動車株式会社 阿部和由氏、半田達郎氏
- 「多様化する若者の働き方と職場環境」
主な講演内容
多様化する大学生の実態と理解
岐阜大学の堀田亮氏は、大学に適応できない学生の特徴を探求し、その背景には社会情勢の影響があることを指摘しました。特に、コロナ禍を経て、学びの機会が減った学生の心理的側面に焦点を当て、「大学に向かないからと言って、社会にも適応できないとは限らない」と強調しました。彼の提言によれば、”できない”とされる行動の多くは実は未学習や誤学習によるものであり、知識や経験をもとに環境を整えることが成功の鍵であると述べています。
障がいのある若者が活躍できる職場づくり
トヨタ自動車のパネリストである阿部氏と半田氏は、同社の取り組む『ミハナプロジェクト』について説明しました。このプロジェクトは、障がい者が健常者と同じように、社会に貢献できる環境を構築することを目指しています。最近では、障がいや特性に応じた働きやすい工程の整備を進め、実際に効率が上がった実績を示しました。
参加者の反応
今回のセミナーには多くの参加者が熱心に耳を傾け、質問を行いました。「学生の今を知ることができた」「アシスト方法について考えたい」「大学の実情を理解した」という声が寄せられ、学びの場としての価値が証明されました。特に、障がいのある若者に対する具体的な支援策や事例が、今後の企業の方針に影響を与えると期待されています。
パネルディスカッション
パネルディスカッションでは、岐阜市における働きづらさを抱える若者への支援についてさらに深い議論が行われ、新たに必要とされる施策が提案されました。発言者からは、単純に”できない”ことに焦点を当てず、各自の強みを活かし合う職場環境を促進することの重要性が強調されました。
今後もこのようなセミナーを通じて、企業と若者の新たな理解を促進し、共に成長できる機会を増やしていくことが求められます。そして、岐阜市はその取り組みの中心として、まさに多様な人材の活用を推進する道を歩んでいます。