小児患者とその家族を支える新たな交通費支援
2026年6月、認定NPO法人キープ・スマイリング(東京都中央区、理事長:光原ゆき)が、遠方の医療機関に入院する子どもたちとその家族を支える「家族をつなぐ交通費支援」が本格的に始まります。これは、入院中の子どもたちとその家族が抱える移動の経済的負担を軽減し、家族の絆を深めることを目的とした新たな取り組みです。
遠方入院に伴う家族の移動負担の実態
特に高度な医療を必要とする小児患者は、専門の医療機関が限られているため、しばしば自宅から遠く離れた病院での入院が必要になります。例えば、心臓や腎臓の移植手術を必要とする場合、片道100km以上の移動が一般的です。このような状況は、入院中の子どもと付き添う親、そして自宅で待つ兄弟姉妹との物理的な分断を引き起こします。そのため、頻繁な面会や一時帰宅が求められ、移動にかかる交通費は入院期間が長くなるにつれて累積的に増加します。
キープ・スマイリングでは、これまでに接した多くの家族が交通費の負担を理由に面会を減らしたり、兄弟に会うための帰省回数を制限しているという声を確認しています。その結果、家族間の交流が減少し、精神的な負担も増すことが懸念されています。
交通費支援の具体的な内容
「家族をつなぐ交通費支援」では、以下のような条件を満たす家庭に対して支援が行われます:
- - お子さんが18歳未満であること
- - 心臓または腎臓移植手術のための長期入院、またはそれに関連する入院であること
- - 自宅と病院の距離が片道100km以上であること
- - 世帯年収が一定の基準を下回っていること
支援内容は、面会や入院に必要な交通費(ガソリン代や高速料金を含む)で、1家族あたり年間最大5万円まで支給されます。申請方法は、主治医からの紹介を介して行う仕組みとなっています。
トライアル結果と今後の展望
本事業は、トライアルとして2026年2月から4月の間に心臓移植や腎移植に関する入院を対象に行われた結果、12件の申請のうち10件で支給が行われました。受益者からは「これまでにない支援で助かった」「帰宅する際の経済的負担が軽減した」と好評を得ています。
理事長の光原氏は、「この支援は、家族が患者に会いに通える環境を整えることを目指しております。利用者や医療現場からのフィードバックを踏まえ、支援内容の見直しや対象疾患の拡大をしながら、より実効性のある支援の形を模索していきます」と語っています。
この「家族をつなぐ交通費支援」が、遠方で生活する家族にとっての助けとなり、より多くの家族がつながるきっかけになればと期待されます。様々な方からの寄付が、この取り組みを可能にしたとのことで、感謝の意を表しています。