北斎博覧会が大阪・関西万博を祝う
「大阪・関西万博(Expo 2025)」の開幕を記念し、島根県立美術館では、特別展『「大阪・関西万博(Expo 2025)」開幕記念北斎博覧会-珍品・逸品大集合‼-』が開催されます。この展覧会は、2025年4月23日から5月26日までの約1ヶ月間、地域の美術文化を発信する重要なイベントとなります。
北斎作品の集大成
この展覧会では、浮世絵の巨匠である葛飾北斎の多様な作品が多数展示されます。特に注目すべきは、北斎の代表作である《冨嶽三十六景凱風快晴》(通称「赤富士」)です。この版画は1970年に開催された大阪万博においても展示され、以来、美術館に所蔵されています。
新庄二郎氏(1901-1996)のコレクションから譲渡された「赤富士」は、初期の貴重な摺りであり、状態も非常に良好です。この逸品のほかに、展覧会では現存数が極めて少ない稀覯品や、世界的に見ても非常に珍しいコレクションが一堂に展示されます。
さらなる貴重な作品の紹介
展覧会には、北斎が若き頃に「春朗」と名乗っていた際に制作した「おもちゃ絵」や、北斎自身が名匠となる決意を示した記念碑的な摺物も登場します。これらは、北斎の独自の視点や創造性を垣間見ることができる非常に貴重な作品です。
また、北斎の死に際して娘の応為が遺した「死亡通知書」は、北斎の生涯に関する貴重な歴史的資料としても評価されています。この資料には亡くなった日時や死因、葬儀の詳細が記されており、北斎の最後を知る手がかりとなります。
詳細情報
この特別展への入場は一般300円、大学生200円で、小中高生は無料です。会場の島根県立美術館2階「北斎展示室」では、毎日10時から日没後30分まで観覧可能となっています。
また、火曜日は休館日ですが、特別に4月29日と5月6日は開館しています。
展示される作品数は46点にも及び、いずれも北斎の真髄を感じることのできる貴重な品ばかりです。この機会にぜひ、北斎の世界に触れ、当館のコレクションの魅力を味わってみてください。