正常細胞ががん細胞を排除するメカニズムの解明を目指す新プロジェクト始動

がんの予防的治療の確立に向けた新たな挑戦

学術系クラウドファンディングサイト「academist」が、がん細胞を正常細胞がどのように排除するかに焦点をあてた新プロジェクトを開始しました。その目標額は、過去最高の5,000,000円に設定されています。このプロジェクトは、北海道大学の藤田恭之教授がチャレンジャーとなっており、がんの早期段階において正常細胞ががん細胞を認識し排除する能力のメカニズムを解明することを目的としています。

プロジェクトの背景

現在、がんは世界的な健康問題であり、多くの研究者がその治療法の確立に向けた努力をしています。藤田教授は、これまでの研究で正常細胞ががん細胞を認識し、排除するメカニズムが存在することを示してきました。しかしその具体的なプロセスや関与する分子については、まだ不明な点が多く残されています。

研究の目指すもの

本プロジェクトでは、様々なスクリーニング手法を駆使して、正常細胞とがん細胞間の認識メカニズムや、がん細胞の排除に関わる分子を特定することを目指します。これにより、これまで「ブラックボックス」とされてきた、がんの超初期段階に何が起こっているのかを解明しようとしています。さらに、特定された分子の機能を調整する薬剤の開発も視野に入れ、正常細胞ががん細胞を排除するメカニズムの活性化や、がん細胞の排除への抵抗を無力化する新たな治療方法の確立を狙っています。

クラウドファンディングの意義

今回のクラウドファンディングを通じて集められた資金は、細胞を培養するための試薬や各種スクリーニングに必要な費用、さらには同定したタンパク質に対する抗体の作成費用に充当される予定です。支援者には、オリジナル画像や学会講演資料、さらには特製Tシャツや白衣などのリターンも用意されています。

このプロジェクトの募集は2015年11月26日から2016年2月26日まで行われており、支援を希望する人々にとっては、最新の研究に直接参加できる貴重な機会となります。