盲目のセーラー 岩本光弘とヘリーハンセンの新たな挑戦
全盲であるセーラー岩本光弘氏は、2019年に世界初となる全盲の航海士として米国サンディエゴから福島への太平洋横断を成功させました。この壮大な挑戦の一環として、マリンウエアブランド「ヘリーハンセン」が彼を支援することに焦点を当てています。企業が社会的意義を持った活動に関与する意義を再確認する事例となっており、今後の展開が注目されています。
「HIRO’s CHOICE」プロジェクトの背景
ヘリーハンセンは、岩本氏の挑戦「HIRO’s CHOICE」に賛同し、オフィシャルサプライヤーとしてその活動をサポートします。岩本氏の挑戦は単なるスポーツの域を超え、「人生は選択の連続である」という重要なメッセージを次世代に伝えることを目的としているのです。
2027年2月には、再びサンディエゴから天草(熊本県)への航海が始まる予定で、2026年3月からは船上でのトレーニングも計画されています。すでに米国の拠点で船の整備が進められているとのことです。
ヘリーハンセンの技術と理念
140年を超える歴史をもつヘリーハンセンは、過酷な自然環境下での防水技術を誇り、岩本氏の挑戦に共感を寄せています。支援は専用ウエアの提供にとどまらず、視覚障がい者が使いやすい「ユニバーサルデザイン」の確立を目指しています。この取り組みは、視覚に頼らないウエアの開発を視野に入れた重要な挑戦として位置づけられています。
専用ウエアの開発内容
1.
音を遮らない耳出しフード
全盲の岩本氏にとって、風や波の音は周囲の状況を把握するための重要な情報源です。そこで、耳に干渉しないフードを開発中です。
2.
3Dスキャンによる精密設計
岩本氏の頭部を3Dスキャンし、フィット感を追求した設計が進められています。これにより、過酷な気象条件下でも快適に着用できるウエアが実現される予定です。
3.
触覚で判別できるデザイン
視覚に頼らず、触れるだけで服の前後や表裏がわかるように工夫されたデザインのアイテムも開発されています。
4.
過酷な環境下でも耐えるアウターとインナー
気温5℃を想定したフリースなど、航海に必要なアウター・インナーの組み合わせが準備されています。
5.
匂いの配慮
岩本氏にとって匂いも重要な判断材料のため、消臭加工生地を使ったウエアが作られています。
岩本氏のプロフィールと目指すもの
岩本光弘氏は、アメリカ・サンディエゴ在住で、完全に失明する前は多くの困難に直面しましたが、その後の努力によって多くの成功を収めました。彼は、「絶対にあきらめない」という信念の元、日本国内外で多くの講演活動を行い、他者に夢と希望を与えています。
まとめ
ヘリーハンセンの支援によるプロジェクトは、全盲のセーラー岩本氏の挑戦を支えるだけではなく、視覚障がい者がしっかりとスポーツを楽しめる社会の実現を目指しています。このチームが生み出す新たなウエアは、視覚以外の感覚を駆使して安全かつ快適に活動するための一助となるでしょう。今後も「HIRO’s CHOICE」に注目し、彼らの活動がどのように進展していくのか期待が高まります。